ドラマ「ケイゾク」「SPEC」シリーズ最新作として3月22日から動画配信サービス「Paravi」で公開されるドラマ「SICK'S 覇乃抄」(シックス・はのしょう)の舞台あいさつが都内で開催。同作に出演する女優の木村文乃さん、山口紗弥加さん、俳優の松田翔太さん、竜雷太さん、佐野史郎さん、アナウンサーの宇垣美里さんらが作品の見どころや撮影の裏話を披露し会場を盛り上げました。
2018年に配信された「SICK'S 恕乃抄(じょのしょう)」の続編となる同作。空気を自在に操る能力や、時を止める能力など、SPEC(スペック)と呼ばれる超能力に関連する事件を追う“特務事項専従係”の活躍がシリアスに、時にコミカルに描かれ、ドラマ「トリック」を手掛けた堤幸彦さんが監督を務めます。
「IQ230、ハーバード大出身というとんでもない役を背負わされました」と自己紹介した主役の御厨静琉(みくりや・しずる)役を演じる木村さん。司会者に見どころを聞かれると、「大事なせりふが、(劇中に登場する)カニとかお茶とかの面白エピソードでごまかされていると思いました(笑)。そんな演出上のごまかしが入っているシーンをじっくり見ていただきたいですね」と、ストーリーをひもとくヒントを明かしました。
特務事項専従係のキーマン、高座宏世(たかくら・ひろよ)役を演じた松田さんは「SPEC能力なしの役でどうにか頑張りました(笑)」と高座の立場について触れ、御厨とのチームワークがストーリーのポイントになっているとした上で、「(2人の仲は)深まったんじゃないでしょうかね。前作ではいがみ合いながら事件を解決していましたが、今回は手を取り合った感じがします」と笑顔で話しました。
堤監督は、シリアスあり笑いありの展開について「キャストにはいろいろ迷惑をお掛けして申し訳ないですが、かなり楽しみながらやりました。本作は集大成をこえた集大成。ものすごいイズムが重なり合った作品です」と説明。SPEC発動シーンが見どころだと明かし、「今回ほど気合と根性で実現させた演出はなかった。撮影の際はCGによる映像処理がされていないので、キャストの方は(それを想像して)演技をしなくてはならない。それを押しつけた私を含め、『皆さん大変だなぁ』と思っている次第です」とだいぶひと事なコメントを残し、会場の笑いを誘っていました。
続いて女医の植田もも子を演じた宇垣さんについての話題になると堤監督は、「毎朝、出発の準備をしているときにニュース番組で宇垣アナの姿を見ていて、今回の女医役にお願いしたいと思いました」と起用の経緯を告白。3月末でTBSを退社し、フリーアナウンサーになることについて触れ、「また出ていただきます。ギャラを払ってね。TBS幹部の人はいろいろ言っているらしいですけど、僕には関係ない」とイジると、「(退社は)円満です。仲良くしています」と宇垣さんに返される一幕も。
木村さんもそのトークに加わり、「実は宇垣さんをイメージしたセリフがあったんです。その日はオフだったんですけど『アフレコがある』と呼び出された。何だろうと思って行ってみたら、“悪い大人達”が『自分のかわいさをわかっているな。だから辞めたのか……』というせりふを足してくれと……(笑)」と裏話を明かすと、堤監督は「急きょ足しちゃった(笑)。変化に即応した結果」と慌ててフォローしてお茶を濁していました。
その後、宗教団体「インナープラネッツ」貫主の邑瀬帝法(むらせ・ていほう)役を演じる山口さん、側近の大島優一役を演じる佐野さんが登場し、キャスト、会場に集まったファン全員で同団体の呪文「水金地火木土天海海ー」を叫ぶという謎展開でイベントは終了。ストーリー同様、舞台あいさつも笑いにあふれていました。
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堤幸彦監督の名監督ぶりがいかんなく発揮されたようです。