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ミステリーの殺人トリックでおなじみ「ピアノ線」、本当の主な用途は? → メーカーに聞いてみたらピアノでもなかった件

ピアノ線って名前なのに!

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 「ピアノ線」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか。

 「細くて見えない」「ミステリー作品のトリックに使われるアイテム」「ピンと張るとトラップになる」といった方が多いのでは? 実際、アニメ「名探偵コナン」第1話では、「真っ暗なトンネルを抜けると、乗客の首が切断されている」という殺人事件のトリックにピアノ線が使われています。

 しかし、“ピアノの線”と呼ばれているわけですから、本来はこんな物騒なアイテムではないはず。実際にはどのように使われているのか、あるメーカーに聞いてみました。

―― そもそもピアノ線とはどのようなものですか?

 簡単に説明すると、JIS(日本工業規格)で定められたカーボンの含有量の多い、10ミリ以下の鉄線のことを言います。要するに「とても強度が高くて、細い鉄線」ですね。

―― 名前の通り、ピアノに使われているんですか?

 ピアノの弦に使われていますが、当社が輸出しているものはバネに使われることが多いです。他社製品もだいたいバネになるはずです。

 ピアノ線は、私たちの生活のあらゆるところにバネとして存在しています




JIS規格ではピアノ線が3種に分けられており、いずれも「バネ用」(画像は日本工業標準調査会より)

―― ミステリー作品みたいに殺人トリックには使えるものなんですか?

 まあ、切ろうとすれば切れるかもしれませんが、そこまで危険なものではありません。ミステリーなどの殺人トリックでフィーチャーされるようになったのは「針金より強度が高いから」ではないでしょうか。

―― トリックにピアノ線を使う作品の犯人は、どんなところでピアノ線を購入しているのでしょうか?

 ホームセンターで販売されている鉄線はカーボンの含有量が低く、針金のようなもの。ピアノ線を買うとしたら、問屋に頼むか、ピアノを修理しているところに行く必要があるかもしれません。


 というわけで、今回の結論は「ピアノ線の主な用途はバネだった」。ちなみに、JIS規格に関する資料内では線径(太さ)1センチのものに関しても説明されており、「ピアノ線=見えないくらい細い線」とは限らないようです。

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