カネカは6月6日、「会社の勧めで育休取得し、復帰した直後に転勤を宣告された」とする元社員の妻のTwitter投稿に対し、調査を行った結果「当社の対応に問題は無いことを確認致しました」と発表しました。
事の発端はパピ_育休5月復帰(@papico2016)さんによるTwitter投稿。夫が育休明け2日目で来月付での関西転勤を告げられたこと、新居に引越したばかりなので転勤を延ばしてほしいと言っても聞き入れられなかったこと、結局退職することになったものの有給が認められなかったことを投稿していました。
こうした対応についてネット上では「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」と批判の声が上がりました。カネカは当初、「ツイートについては、カネカに宛てられたものではないため、コメントを差し控えさせていただきます」とコメントしていました。
6日の発表で、カネカは(パピさんが社名を公開した直後の)6月2日に弁護士を含めた調査委員会を立ち上げて調査を行ってきたことを明らかに。「当社の対応に問題は無いことを確認致しました」と述べています。
パタハラではないかとの批判に対し、同社は「転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません」と否定。「育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません」
育休前に異動が必要と判断していたものの、内示前に本人が育休に入ったため内示が育休明け直後になったと同社は説明。ルール上、内示から発令まで最低1週間、発令から着任までの期間は一般的には1〜2週間程度であり、今回の件は内示から発令まで3週間で「通常よりも長い」としています。
また、転勤を延ばしてほしいとの要望については、「元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした」と説明しています。着任後に出張を認めるなどの対応を考えていたものの、退職願が提出されたためその後は転勤についてのやり取りがなかったとし、「このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います」と述べています。
有給消化が認められなかったというパピさんの主張について発表文に直接の言及はありませんが、同社は「元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません」と述べています。
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