亡くなった大切な人が脳みそだけの姿になってやってきたら――そんな創作漫画が切なく胸に刺さる内容で注目を集めています。
突然の事故で彼氏のイクトを失ったマリコのもとに、医療ベンチャーの社員が訪ねてきます。彼が携えてきたのは容器に入ったイクトの脳。イクトは「自分の身体に何かあったときに、脳だけを保存して大事な人に届けるサービス」に登録し、マリコを大事な人として指定していたのです。
イクトの脳は生きており、容器に接続されたカメラを通じて周囲を見ることができ、スマホアプリで彼の感情も分かります。ただ、β版なので「うれしい」「かなしい」の2種類しか分かりません。
初めは「イクトが生きているだけでうれしい」と楽しく暮らしていたマリコですが、やがて「うれしい」「かなしい」だけでは会話にならないと不満が募ってきます。そんな矢先、医療ベンチャーが倒産し、サービスのアップグレードは絶望的に。いつしかマリコはイクトに話し掛けることもなくなっていきます。
そしてついにマリコに新しい恋人候補ができました。初めはイクトが生きていることをうれしく思っていた彼女も、どこにも行けず、話すことも、触れることもできない関係を「こんなの一緒にいるって言えるのかな」と感じ始めたとイクトに告白します。
「前へ進みたい」と告げ、イクトの脳を捨てたマリコ。アプリを削除しようとすると、イクトから「うれしい」のメッセージが届いていることに気付きます。それは、彼女が「前へ進みたい」と伝えたときに送られたメッセージだったのです――。
「前へ進みたい」というマリコの気持ちを喜んだイクト。その愛情に胸がギュッとなります。2度目の別れを選んだマリコの決断も切ない……。読者からは「最後で涙が止まらなくなっちゃいました……」「彼氏いい人や…彼女が新しい人と前に進もうとしてるのを笑顔で送れるって…」「考えさせられる漫画でした。彼氏さんの気持ちも彼女さんの気持ちも間違ってはいないんだな、、、と」などの感想が寄せられています。
作者のQuqu(@ququmaga)さんはTwitterに様々な漫画を投稿しており、noteでも作品を読むことができます。また短編集『ヘイセイラス5』をKindle Storeで配信しています。
死んだ彼氏の脳味噌の漫画
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