『セブンティーン』鈴木桂子編集長に聞く、読者に提供したい「考え方」
この尖ったお悩み相談は、どのように立ち上がったのでしょうか? ねとらぼでは、『セブンティーン』の鈴木桂子編集長に今回の企画が立案された背景などを聞きました。
――今回の企画の趣旨を教えてください。
生きづらさを感じている読者たちに、いままで触れたことがないであろう考え方を提供したい、という思いから企画しました。友達関係に悩み、将来について悩み、家族関係について悩み……と悩みが尽きない読者たちには、悩みを解決する、もしくは解決するまではいかなくても少しスッキリするような「考え方」に、いっぱい出会っていてほしいなと思っています。
なぜなら、悩みを解決するのは、ひとつの考え方だけではないので、自分に合うものがどこにあるかわからないから。今までもいろいろな方に読者の悩みに答えてもらいましたが、「今回は、女性学というスキルを持つ先輩(上野千鶴子さん)からのお言葉はどうでしょう!」という感じです。
――なぜ上野千鶴子さんが起用されたのでしょうか?
東大入学式での祝辞が話題になった後、企画会議で今のJKの悩みを上野さんにぶつけてみたらどういった答えが返ってくるか、という話になりました。登場していただけるかどうかは、その段階ではわかりませんでしたが。
――すでに今回の企画はネット上で話題になっていますが、編集部から見た反響はいかがですか?
10代の読者に届いているようですが、「高校生の時に読みたかった」という大人の女性の声も目にします。読んでもらえるのは、企画したかいがあるので大変うれしいです。
――これまで、今回のようなジェンダーやフェミニズムに触れる企画を掲載したことはありますか? また、今後もこうしたコーナーを掲載する予定などはありますか?
LGBTのテーマではぺえさんに登場いただいて読者と一緒に考える企画を掲載したり、弊社『りぼん』の作品「さよならミニスカート」が話題になった時には、作品が描く問題について読者と専属モデルたちに意見を言ってもらう記事を掲載しました。今後も、読者が知っていたら、生きるのがラクになりそう、考え方の幅が広がりそうな話題があれば、扱っていきたいと思います。
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