キズナアイ運営会社、「キズナアイ分裂騒動」で声明発表 「事実に基づかない憶測や虚偽の情報が流布されている」
5月以降、十分な説明がないまま「中の人」が4人に増えるという騒動があり、主に中国で大規模なボイコット運動に発展していました。
バーチャルYouTuber「キズナアイ」を運営するActiv8は8月16日、動画サイト「bilibili」内で、ここのところ騒がれていた「キズナアイ分裂騒動」について、中国語と日本語で声明を発表しました。現在、インターネット上で「事実に基づかない憶測や虚偽の情報が流布されている状況」であり、「ファンのみなさまの不安を解消したい」という思いからとのこと。
キズナアイを巡っては今年(2019年)5月以降、段階的に「ボイスモデル(声優)」を増やす試みを行っており、現在は4人のボイスモデルが交代でキズナアイを演じる形となっています。しかし一方で、初期からのファンの中には「1人目」のボイスモデルが演じてこそキズナアイである、という考えの人も多く、たとえ同じ3Dモデルを使っていても、声優が変わってしまったらそれはキズナアイではないのではないか――といった議論が、5月以降ファンの間では盛んに行われていました。
加えて、こうした「分裂騒動」に伴って「1人目」のボイスモデルと運営の“不仲説”もささやかれるようになり、8月上旬ごろから、中国を中心に大規模な「チャンネル登録解除運動」も行われるように。8月上旬時点で100万人に迫っていたbilibiliのチャンネル登録者数は、8月18日時点で約88万人にまで減少しています。運営はこれまで、一連の「分裂騒動」については基本的に沈黙していましたが(「増えた」ことは動画内でネタ的に開示していましたが、増えたことについての正式な発表や、理由の説明などはなかった)、こうした背景もあって、今回ついに声明を出すに至ったものと考えられます。
今回Activ8が発表した声明によると、運営側にはもともと、キズナアイを立ち上げる以前から「分人」という考え方(自分というものは他人によって引き出される存在であり、本当の自分というものは存在せず、どんな自分も全てが自分であるという考え方)があり、今回の分人、特に4人目の「中国語を話せるキズナアイ」が登場したのも、こうした「中国のみんなと、自分の言葉でお話ししたい!」と思った「分人」によって生まれたのかもしれない、と説明。また、またキズナアイには「自分とは何か?」「実在しているとは?」「ゴーストは存在するのか?」というテーマを付与していたとも説明しました。
一方、分裂以降、「1人目」のボイスモデルの登場頻度が下がっていた件については、新規ボイスモデルのキズナアイをファンに知ってほしかったためであり、一部で心配されていた「初期ボイスモデルのキズナアイに関して、活動を休止するようなことはございません」とも。最後にはファンに向け、「現在、インターネット上では、様々な憶測や虚偽の情報が、流布されている状況でありますが、ファンのみまさまにおかれましては、どうかご安心いただき、これからもキズナアイを応援していただければと存じます」と呼びかけています。
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