欅坂46、初の東京ドーム公演で披露された全楽曲を2万字で全力レポート! 5万人の観客が「不協和音」の“僕”と「角を曲がる」“私”に出会った瞬間【後編】(2/3 ページ)
千秋楽で披露された全楽曲21曲の見どころを前・中・後編に分けた2万文字、画像35枚でお伝えします!
太陽は見上げる人を選ばない:メンバーの目に涙。私たちはこれが見せたかった
本公演最後の曲として選ばれたのは「太陽は見上げる人を選ばない」。全員がすがすがしい表情を浮かべながら歩を進めると、会場は真っ赤に染まっていくほか、「OH OH OH」の大合唱。「迷いのない生き方」を貫くことの大切さを伝える同曲、最後は全員で一列に並び「みんなだけで」と観客の合唱を引き出してエンディングへ。ラストでは土生さんが感極まったほか、鈴本さんの目にも涙が。また佐藤さんと理佐さんの目も潤んでおり、多くのファンが「この景色を欅坂46に見せられることができて良かった」と感じたのではないでしょうか。
最後は「これからの私達に期待していてください」と菅井さんのあいさつで東京ドーム公演本編は無事に終了しました。
アンコール:不協和音
公演終了後は「欅坂46」の大合唱がやまなかった東京ドーム。5万人の求める声に応じた欅坂46が選んだのは、「不協和音」です。ステージ上に倒れている平手さん、そしてメンバーが着用しているのはMV衣装。真っ赤なスポットライトが当たる中で、ピアノのイントロが流れ始めれば、会場からは「うぉおおおおお!!!」という地響きにも似た歓声が上がります。
ここまで19曲を披露しているとは信じられないほどの動きでパフォーマンスするメンバーたち。会場からは全力の「Oh! Oh! Oh!」のコールが上がる中、原田さんを理佐さんたちが持ち上げる“葵やぐら”も復活。全欅坂46ファンが待ちわびた「僕は嫌だ」が東京ドームに響き渡ります。
2期生が入って公の場でパフォーマンスするのはこれが初めて。これまで長濱さんが担当していた2度目の「僕は嫌だ」は田村さんが担当しました。直前に小さく悲鳴を上げた田村さん。心の内をさらけ出すような「僕は嫌だ」は会場の心をぐっとつかみました。
そして大サビ前。最後の「僕は嫌だ」。それまで大きな声で声援を送っていた会場が一瞬にして静まり返りました。平手さんによる渾身の「僕は嫌だ」。苦し気で泣き声にさえ聞こえるような「僕は嫌だ」――。
これが聞きたかった。これが見たかった。会場にいた全てのファンの心を震わせた「僕は嫌だ」。支配したいなら僕を倒してからいけ。メンバー全員が同じ方向を向いて戦いに行く欅坂46がそこにいました。最後は全員で欅坂46の三角フォーメーションを作って暗転。会場からは自然と割れんばかりの拍手が上がり、目元をタオルで拭うファンの姿も少なくありませんでした。
Wアンコール:角を曲がる
そして終演したかに見えた東京ドーム公演。客電がつかない会場にセーラー服姿の平手さんが1人で現れました。平手さんが胸を抱くようすると始まったイントロ、それは平手さんが初主演した映画「響 -HIBIKI-」の主題歌「角を曲がる」でした。
同作で監督を務めた月川翔さんからの「平手友梨奈の歌声で主題歌をつけたらどうか」という提案で「作品にとって必要であれば」と制作された同楽曲。曲が完成した後は、平手さんから「聴いていただいて、良くなければ遠慮なくナシにしてもらって構いません。出来上がった曲で判断してください」との言葉もあったといい、月川監督自身も「主題歌に関しても本編の一部だと感じていただけたら」と語っていただけにこれまでライブパフォーマンスはもちろん、シングルカットもされていません。
そんな同楽曲の初パフォーマンスに会場は息をのみます。振り付けを担当したのは2017FNS歌謡祭で平井堅さんと平手さんのコラボパフォーマンス「ノンフィクション」を振り付けた「CRE8BOY」。
コンテンポラリーダンスで楽曲の世界を表現していく様に胸が締め付けられるようです。特に「上から何を教えてくれるの?」の場面では絶望で膝をつき、こぶしを地面にたたきつけようとするもの踏みとどまる姿、「思い通りのイメージになりたくない」というシーンでは体にまとわりついたイメージを脱ぐり捨てるようなしぐさなど、映画の主人公・鮎喰響とも平手さんとも通じるような歌詞を平手さんなりの解釈で描いていきます。
最後まで1人ステージでパフォーマンスを続けた平手さん。最後の音を紡いだ瞬間、会場から沸き上がった歓声と拍手にほっとしたような切ない笑顔をうかべ、静かに目をつぶること4秒間。「ありがとうございました」と10秒にわたって頭を下げた平手さん。「欅坂46 夏の全国アリーナツアー2019」がこれにて全て幕を閉じました。
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