「僕も1つのアトラクション」 ハイテンションアナウンスで人気の舞浜駅周辺リゾートバス運転士「亮ちゃん」が語るサービスの流儀(2/3 ページ)
【動画】亮ちゃんが運転するリゾートバスに体験乗車してきました。
――すごく楽しいバス乗車体験でした。そもそも中川さんがバス運転士を目指されたのはどんなきっかけがあったのでしょうか。
中川運転士:ありがとうございます。こういう取材には慣れていなくて自分でいいのかな? とも思うのですが(照れ笑い)。小さいころから、鉄道の運転士になりたいとか、パイロットになりたいとか、野球選手になりたいとか、いくつか夢があったんですけれども、その中の一つがバスの運転士でした。小さいときから“夢の国”には家族ぐるみでよく来ていて、自分の中でも共に生きているものというか、家族みたいな存在だったのですが、社会人になってから、大好きな“夢の国”に関連する“バスの運転士”の仕事があることに気づき、前の会社を辞めてすぐにバス運転士になるための免許を取りました。
――すごい行動力! 無事に夢が叶ってよかったです。“夢の国”ではお好きなキャラクターがいるそうですが。
中川運転士:シマリスをモチーフにしたキャラクターのコンビが好きです。実は僕には双子の兄がいるのですが、小さいときから母が僕たちにこのコンビの衣装を着せたりしていたこともあって、大好きなんです。ちなみに僕自身は大新東でオフィシャルホテルのバス運転士をやっているのですが、兄もリゾートバスの運転士をやっているので、たまにお客様から間違えられることがあります。だからお客様には「亮ちゃんって呼んでくださいね〜!」とお願いしています。
――双子さんで“夢の国”関連のバス運転士っていうのはかなり珍しいですよね。それと大新東がシダックスグループというのにも驚きました。
中川運転士:カラオケのイメージが強いと思いますが、実は2005年からこのリゾートバスの運行業務をやらせていただいています。
――バスの車内では笑っていない時間がないぐらい楽しいお話が聞けました。あのサービストークはどのように生まれたのでしょうか。
中川運転士:ありがとうございます。僕がバス運転士になったころ、このオフィシャルホテルのリゾートバス運行業務にあたり、既に大新東では「運転しながらサービストークを行う」という文化がありました。先輩の中に面白くたくさん話す人がいたりして、僕もその影響を受けました。実はリゾートバスの運転士がこんなにお話する仕事だというのは入社してから知ったのですが、入社したてのころは安全運転に集中してガチガチだったので、先輩の運転を見て「自分はこんなアナウンスはできないだろうな」と思っていたんです。しかしその後研修などを経て先輩方からいろいろと教えていただくうちにだんだんできるようになってきました。最初はこんなにガンガン話せなくて、本当に徐々に徐々にという感じでしたけれども。
当初は「右に曲がりまーす!」「ゆれまーす!」といった感じのベーシックで面白いトークをやっていて、お客さんにも喜んでもらえていたのですが、ある日「それ聞いたことある」と言われたことがあったんです。そこから自分でも話す内容を考えなきゃ! と思い始め、今に至ります。
――お話する内容というのは事前に考えられているんですよね。これまで参考にしてきたものはありますか。
中川運転士:動きだったり、話し方だったりは基本的に“夢の国”のキャストさんをイメージしています。今でも1人で行くことがあるので、その際に荷物を置く動作や安全バーを下げるときの声や座る動作など、キャストさんの行動を研究しています。
例えば、ホテルから舞浜駅までの最終便は「10時46分」出発なのですが、普通に言っただけだとお客様がその内容を忘れてしまいます。そこでキャストさん風に「よ〜る〜の10時46〜分〜!」という感じでオリジナルの節回しで言うようにすれば、「その時間を覚えておきやすいかな?」とかそういった配慮をキャストの方から学んで実際に取り入れています。面白いけれども、伝えるべき大事なことはしっかりと伝えるという姿勢は本当に大切だと思っています。
また話す内容についてはネタ帳を作っていて、ハロウィンバージョン、クリスマスバージョンといった感じで季節の話題を取り入れたり、“夢の国”でのイベントに絡ませたりしています。
――今日のバス乗車体験では「右手をご覧ください。かの有名な写真スポット『自転車に乗る男性』です」という感じで、見どころの案内をされていましたが、自転車の男性がいないときもありますよね。そういうときはどうやって切り抜けるんですか。
中川運転士:本当に周りに誰もいなかったときは「ご覧ください。土手でーす!」と言うときもありますし、夜の時間帯で車が混雑しているときは、オフィシャル駐車場でつっかえている車の渋滞方に注目していただき「はい、出れない車でーす!」と話したりします。とにかく運転は安全第一ですから、本当に一瞬で見て、目に入ったものをネタにするようにしています。
――あえてキャストさんになろうとは思いませんでしたか。
中川運転士:考えたことはあるのですが、“夢の国”は“夢の国”でおいておきたいという思いがあり、一番やりたいのはリゾートバスの運転士だなと思いました。
――これまで印象に残っているお客さんはいますか。
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