――内容は簡単そうですが、めちゃくちゃ疲れそうですね……。こういった仕事は他にもありましたか?
防衛省の大きい会議のときに、参加者の傘をあずかって、番号札を渡す、ただ、それだけの仕事もありましたね。これも宮内庁の仕事と同じく、入場などのセキュリティがめちゃくちゃ厳しかったです。
――そんな仕事が世の中にあるのか……。でも、防衛省の会議なんて、普通は入れませんよね。まさに「大人の社会科見学」感があります。こうした官公庁の仕事で特に記憶に残っているものはありますか?
陸上自衛隊が毎年夏に行う「富士総合火力演習」で、キッチンカーで焼きそばを売る仕事が楽しかったです。前泊して、朝の4時にホテルのロビーに集合して、会場に入りしました。キッチンカーの準備をしているときに、ちょうど演習のリハーサルをやっていたんですが、キッチンカーのボスに『総火演の抽選に外れたのでこの仕事に来ました!』と言ったら、『見に行っていいよ!』と言ってもらえて、演習を見ることができてうれしかったです。実際の仕事中は、客席の後ろにいるので演習はチラッとしか見えないんですが、音もガンガン響いてくるし、迫力はすごかったですね。
――それは楽しそう! 私も夏フェスでスタッフの仕事をしたことがあるのですが、休憩時間はライブを見られて楽しかった記憶があります。コンサート制作の仕事などは、「あの歌手の!」などとアーティスト名がぼかされたりしていることが多いですが、こういった官公庁の仕事はどうなんでしょう?
宮内庁の仕事もふくめて、場所も、やることも、ばっちり書いてありましたね。
――なんだかちょっと意外です。官公庁の仕事以外でよくやった仕事は何でしょうか?
調査員って結構需要がある仕事みたいで、調査系はいろいろな仕事をしましたね。新幹線で東京から仙台に行く間にアンケートを配って回収して、5時間くらい仙台で自由時間を、帰りの新幹線でも同じようにアンケートを配って回収する、というちょっとした旅行気分の調査もありました。
――それは普通にめちゃくちゃやってみたい。調査ってさまざまな種類があると思いますが、印象的なものはありますか?
まず喫茶店で集合して、30万円くらい男の人からもらう仕事がありました(笑)。そのあと、小売店に覆面調査にいくんです。覆面調査だと、飲食店などのサービスを見たりするのが一般的ですが、そのときはいくら値切れるかを試すっていう仕事で。実際に商品を購入して、配送をしてもらうという内容でしたね。覆面調査系の仕事は結構やっていて、コンビニの市場調査もやりました。毎月同じ日に15分くらい同じ棚の前に立っているというのを2年くらい続けていたので、たぶん店員さんにあだ名をつけられていた気がします(笑)。
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