【仕事のグチ、聞かせてください】経営陣の親族が実権を握るスーパー、「葬式で休むのは非常識だ」と3〜4時間説教された理由(2/3 ページ)
スーパーの総菜部門で働いていたというZさんのお話。
“経営陣のある親族”をもてなすための専用ルール
―― なぜそこまでしつこく説教されたのでしょうか
要は、“その親族”にとって不愉快だったからだと思います。自分に話を通していなかったり、“貢ぎ物”がなかったり、というのが。
―― 貢ぎ物?
とにかくおもてなしされたい人なんですよ。菓子折り1つでも何でもいいんですけど、「休ませてもらうのでお願いします」と物をあげれば、取りあえず黙ってくれます。
他の経営陣はまともで現場の社員からも好かれていたんですが、“その親族”に関しては止める人がいなくて、“おもてなし大会”のような状態になっていました。
私はそこまで詳しくないんですけど、「“経営陣のある親族”をもてなすための専用ルール」も存在していて。「出張に同行したとき、お土産を買っているあいだはお付きの者がカバンを持ってあげる」とか、「飛行機を降りるときは『ポーン』と鳴った瞬間に2人がかりで通路をふさいで、そのあいだに入れてあげる」とか……。
「トンカツを買っていくときは、茶色のペーパー3〜4枚で包む」なんてのもありましたね。茶色のペーパーというのは、トイレなどによく置かれている手を拭くものです。あれ、意外と油を吸うんですよ。
それから、新しいおもてなしルールが生まれることもありました。
「全体朝礼」といって、売上、目標などをとにかく叫び合う朝礼があったんですけど、あるとき、“その親族”に評価されたくて、余計なことをした従業員がいました。カレーだかシチューだかを作ってきて、振る舞ったんです。
それによって「全体朝礼があるときは、朝早くから来て料理を用意する」「食べてもらって、余った分はキレイに詰めて持ち帰らせる」というのがルール化してしまいました。材料費などはお店のお金で、こんなことしても出費にしかならないんですけど、「オリジナルちらしずしを作りました!」みたいな。
―― 当時、そういう職場環境に対してどう思っていたのですか?
洗脳ではないですけど「間違っているのはこの職場ではなく、自分の方だ」みたいに思ってしまうところもありました。周囲の人たちは職場環境の方を正しいものとして扱っていましたし。もめたり恨まれたりはイヤですからね。
最初に話したお葬式の話はあまりにもヒドいと思って、新聞の人生相談コーナーに投稿したことがあります。そしたら、私が書いた文章がほとんどそのまま掲載されて。
「ここに選ばれるということは、私の主張は客観的に認めてもられるものなんだ」「間違っているのは私じゃなかったんだ」とホッとした覚えがあります。
※本記事は取材対象者の声をそのまま記事化したものです。当該業界、職種などの労働環境一般を説明するものではありません。
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