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「第3子に月6万円」案、政府内で浮上〜歯止めかからぬ出生数減少

必要性は指摘されているものの、課題は財源。

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ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(2月12日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。日本の少子化対策について解説した。

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」

少子化対策として「多子加算」の必要性

毎日新聞によると、最初の子に月1万円、2番目の子どもに月3万円、そして3番目の子どもには月6万円を支給する案が政府内で浮上しているという。

森田耕次解説委員)2019年に産まれた子どもの数は、過去最も少ない86万4000人と推計されています。少子化対策が急務となるなか、毎日新聞によると第1子に月1万円、第2子に月3万円、第3子に月6万円を支給するというアイデアを、衛藤少子化担当大臣が出したようです。子ども1人につき月1万円〜1万5000円を支給しているいまの児童手当に代わって、子どもが多い世帯ほど手厚く傾斜配分する手当を導入するという構想のようです。3人の子どもがいる世帯だと、月10万円ほど支給されるという計算でしょうか?

河合)そうですね。私も衛藤大臣とは少子化対策について話をする機会がありました。他の専門家たちも参加していたのですが、みんな必要性を述べていたのが今回の多子加算です。子どもの数が増えれば増えるほど現金給付額も増やしていくということで、フランスやスウェーデンもこうしたやり方をしています。お子さんが増えれば増えるほど家計への負担も大きくなるということで、それを懸念して3人欲しいところを2人にしてしまっている夫婦も多いのも実情ですから。この多子加算というのは効くやり方なのですね。

森田)よく、「少子化対策に決め手はない」と言われますけれども。

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」

3子以上産めないのは経済的理由〜給付に際するインパクトも重要

河合)とは言え、第3子以上をためらう理由を世論調査すると、ほぼ経済的理由です。2人で諦めてしまっている理由になっているのですよ。なかなか給与も上がらない時代なので。多くの人が大学まで行く時代になってきて、子育て期のお金のかかりようが前の世代と比べものにならないくらいに増えてきている問題があるのです。衛藤さんの案は月に6万円となると年間72万円なので、15歳までとすると1080万円です。私が提唱している「第3子以降に1000万円」とほぼ同じなのです。

森田)河合さんは「第3子以降は1000万円規模の給付を行った方がいい」とおっしゃっていましたね。

河合)1000万円と提唱しているのは、少子化対策にはインパクトが必要だからです。だから、衛藤大臣には月6万円ではなく「15年で1000万円」と言って欲しいのです。

森田)月6万円だとインパクトがないかもしれませんね。

河合)もちろん、月6万円だから子どもを持つとか持たないとかいう話ではないのですよ。額の話ではなく経済的な安心感が大事なのです。この案通りになるのであれば、「3子目が産まれたら1000万円を受給できる権利は保障するので、安心して子育てしてください」ということをメッセージとして伝えることが大事だと思うのです。

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」

費用は倍以上か〜財源確保が鍵

森田)ただ、この財源をどうするのかというところですが、試算すると3兆円から5兆円くらい必要だということが言われています。

河合)現状の児童手当の財源が2兆円から2兆1000億円と言われています。「第3子に月6万円」という案が実現したら、倍以上の財源が必要になっていくのですが、工夫の仕方はいくらでもあって、私はかねてより資産課税をということを言っています。多くの方がかなりのお金を残したまま亡くなっていく。これから大死亡社会になっていくので、亡くなった方の遺産からこういう財源に充てていくような資産課税も選択肢としてはあると思いますし、1子目2子目のところの給付額を少し減らすやり方もあるのですよ。

森田)いまの児童手当は3歳未満が一律1万5000円。3歳から中学生が1万円。第3子以降は1万5000円ということですが、所得制限もあるようです。

河合)どういう線引きをするかというのは考え方の問題なので、いろいろなやり方があるのだと思います。いずれにしても90万人を割る状況になってきて、3子以上が15万人程しか産まれていないようなので。1組の夫婦から2人の子どもでようやく維持ですから、3人以上の家庭が増えないと少子化は止まりようがないわけです。子どもを産める女性の数が減りきらないうちに、金銭的理由であきらめざるを得ない人への手当てという意味では早くやった方がいい政策だと思います。

森田)フランスは家族手当ということで、3人の家庭には月3万6000円、4人の家庭には月5万6000円と加算して、大家族ほど減税手当や住宅手当があったり、公立学校なら大学まで授業料が無料という制度になっているようです。

河合)今回浮上した案は給付という制度なのですが、逆に減税というやり方もあります。

森田)そういうものも組み合わせながら、給付も考えながらなんとか少子化を食い止めないと、将来の日本がなくなってしまうのですよね。

河合)子どもがいなくなったらおしまいですからね。

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