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「想定を上回る緊急事態」「苦渋の決断」―― 突然の方向転換は果たして吉と出るか? 「ニコニコネット超会議」運営への一問一答

運営「ネット超会議に切り替えた瞬間から、社員総動員でひたすら前を向いて進んでおります」。

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 新型コロナウイルスの影響を受け、残念ながら今年は開催中止が決定したニコニコ超会議2020・闘会議2020。しかしその一方で、代わりに4月12日から19日までの計8日間、ニコニコ生放送によるネット中継を使ったニコニコネット超会議2020を開催することも発表されました。


ニコニコネット超会議2020 イベント ニコニコ超会議2020・闘会議2020開催中止と、ニコニコネット超会議2020開催決定の告知


 「ニコニコの全て(だいたい)を地上に再現する」をコンセプトに、2012年から続けられてきた「ニコニコ超会議」。毎回豪快な赤字を垂れ流しながらも続けてきたイベント(近年は赤字額非公開)を、9年目にして中止せざるを得ないというのは、運営側にとっても苦渋の決断だったことでしょう。

 しかしその一方で、転んでもただでは起きないのがニコニコらしいところ。期間を2日間→8日間に拡大し、リアルイベントの代わりにネット中継を使った「ニコニコネット超会議2020」の開催を急きょ決定。この方向転換について、ネット上では「ニコニコ動画らしい決断」「昔の勢いがあったころのニコニコを思い出す」など、称賛の声もあがりました。


ニコニコネット超会議2020 イベント ニコニコネット超会議2020開催決定の告知

 とは言え、イベント開催まで残すところあと1カ月。このタイミングでの超会議中止、そして「ネット超会議」への突然の方向転換と、きっと今ごろドワンゴ社内は大変なことになっているのでは……? 「ネット超会議」はどんな経緯で開催が決まったのか、今からの方向転換は間に合うのか、今年の赤字額はどうなるのか――など、超会議運営に率直な疑問をぶつけてみました(現在、ドワンゴは在宅勤務期間中とのことで、インタビューはメールで行いました)。


「ネット超会議」大丈夫? ニコニコ超会議運営との一問一答

―― “超会議中止”の決断に至るまでに、どのような話し合いがあったのでしょうか。

ニコニコ超会議運営(以下、運営) 新型コロナウイルス感染症の広がりに伴い、リアルイベントなどにおけるユーザーの方々の安全面については、感染拡大状況に注視しながら状況変化に応じて慎重に対応を検討してまいりました。

 この度、政府からのイベント自粛方針および超会議に関わるすべてのお客様と関係者の安全を考慮した結果、中止という決断に至りました。

―― 「ネット超会議」の開催は、どのような経緯で決まったのでしょうか。

運営 もともとニコニコ超会議は“リアル×ネットの融合”を掲げ、会場にお越しになれない遠方のユーザーにも楽しんでいただけるようライブ配信も行ってまいりました。

 また、こんな時期だからこそ、ネットの強みを生かした企画として何とか実現させたいと検討を重ねる中、自然な流れで「ネット超会議」が浮かび上がってきました。

―― このタイミングでの方向転換はかなり大変だったのでは……?

運営 今日までスタッフ一同、最高の超会議を成功させようと日々奮闘し準備してまいりましたが、想定を上回る緊急事態となり苦渋の決断を下すこととなりました。

 しかし「ネット超会議」に切り替えた瞬間から、超会議を心待ちにしてくださっていたユーザーの皆さまの思いに少しでも応えられるよう、社員総動員で新たなエンタテインメントの価値を提供できるようなネットイベントの実現に向け、急ピッチでひたすら前を向いて進んでおります。

―― 参加・協賛企業の反応はいかがでしたか。

運営 関係者一同、来場者の安全確保が最優先という思いは共通しております。

―― 「ネット超会議」について、現時点でどのような企画を予定していますか。

運営 4月18日・19日には幕張メッセ・イベントホールから、当イベントの目玉である、伝統芸能と歌舞伎と最新技術が融合した「超歌舞伎 Supported by NTT」、最新技術を用いたバーチャルキャラクターによる音楽ライブ「VTuber Fes Japan」「VOCALOID Fes」の生放送をお届けすることが決まっております。


ニコニコネット超会議2020 イベント 現在実施が確定しているコンテンツ

 このほかの企画につきましては、日本最大のネットの祭典を体現できるような企画を、3月25日の生放送「ニコニコネット超会議2020発表特番」で発表する予定です。

―― 発表内容に「中止になったライブなどの再現」などとありましたが、これは具体的にどんなことを行う予定ですか。

運営 開催内容につきましては3月25日の生放送でお知らせする予定ですが、単なる視聴型生放送ではなく、ネット上での双方向性や参加感・連帯感を出せるような企画・演出を取り入れながらも、niconicoのみのプラットフォームにこだわらず、日本最大の“ネットの祭典”を目指してまいります。

―― これはちょっと聞きにくいのですが……超会議中止による損失はどれくらいと見込んでいますか。

運営 今回の変更にともなう損害、負債額などの公表は控えさせていただきます。

―― ちなみに「ネット超会議」になったことで赤字は減りそうですか、増えそうですか?

運営 開催前月でイベント内容変更という判断となりましたが、 来年で10周年を迎える「ニコニコ超会議」をユーザーの方々と一緒に実現していくべく、今期も出来る限り黒字を目指してまいります。




 「ニコニコネット超会議」は4月12日から4月19日までの計8日間開催。現在までに「超歌舞伎」「超バーチャル音楽祭」の実施が確定しているほか、その他のコンテンツについても3月25日20時からのニコニコ生放送「ニコニコネット超会議2020発表特番」の中で発表予定とのことです。



たけしな竜美


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