「垣花正 あなたとハッピー!」(3月18日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。新型コロナウイルスによる経済への影響は今後どうなるのか。そして悪化する日本経済を救うにはどうするべきか――。
新型コロナによる経済的損失〜既に受けている三重苦
世界でもそうですが、2020年の日本経済は戦後最悪のマイナス成長になると思います。過去最悪だったのは2009年のマイナス5.5%でしたが、それを下回ることは確実です。2019年の消費税増税で、GDPがマイナス7.1%という落ち込みをしている。1〜3月期はコロナウイルスの影響で、さらに大きく落ちます。そしてこの先、オリンピック・バブルの崩壊となると、三重苦の状態になるのです。2008年のリーマンショックでは日経平均株価が7000円、ニューヨークダウは7000ドルまで割り込みましたが、同じ状況になる可能性があります。
オリンピック延期・中止による影響〜自粛はいつまで続くのか
オリンピックは延期になる可能性が高いと思うのですが、そうなると直接的な影響は1兆円。延期に伴う消費減、インバウンド減で5兆円、合わせて6兆円の影響が出ます。それだけでもボロボロなのですが、さらに怖いのは、自粛がいつまで続くのかということです。このまま人が外に出ないと、労働力が減って行く。30%の労働力が1年間減ると、GDPは50%落ちることになります。半分になるのです。それは、40年前の日本と同じ状況になるということです。
富山化学の「アビガン」という薬が効くのではないかと、中国が採用の方向
新型コロナウイルスには、世界が協力して1日も早く特効薬をつくるべきだと、私は1ヵ月以上前から言って来ました。ようやくWHOが世界で分担して新薬開発に取り組もうという姿勢になりましたが、早くても年内に間に合うかどうかです。そこで希望が見えて来たのが、富士フイルムの子会社である富山化学がつくる、「アビガン」というインフルエンザの薬です。これが効くのではないかと言われていて、中国でも採用する方向で検討しているということです。
市中感染率を調べるべき
日本は他国に比べて死者数は低いのですが、市中感染率がまったくわかりません。私はすぐに調べるべきだと思うのですが、そうすると軽症者が病院に殺到して、医療崩壊を起こすと言われます。しかし無作為で1000人を検査すれば、市中感染率が割り出せるのです。1000人調べて10人感染していたら、感染率は1%です。これは統計学的に言うと、95%の確立で0.4〜1.6の間に感染率が収まっているということになります。10人の新たな感染者が見つかっても、医療崩壊は起こりません。
景気対策〜1人10万円配り、4月からは消費税を0%にする
このままでは戦後最大のマイナス成長になってしまうので、思い切った対策が必要です。そのために、短期的には1人10万円を配る。そして、4月から消費税を0%にするということです。消費税を0にするというのは、準備がいらないのです。例えば7%や3%などの半端な消費税にすると、設定を変えなくてはならず、いろいろな作業が発生するのは目に見えています。しかし、消費税0なら税抜き価格のまま売ればいいので、準備しなくてもすぐにできるのです。
「消費税0」が安倍政権を4期目突入に導く
オリンピックが延期となると、解散総選挙をすることができます。安倍総理は「消費税を0にして国民の真意を問う」と言うのです。「消費税0」に国民民主党と立憲民主党は納得しないので、国民、立憲は増税路線、自民党は消費税0。これで闘えば自民党の圧勝で、4期目に突入と、安倍総理にとって素晴らしいシナリオが見えて来ます。そして、これを発表した瞬間に日経平均株価はドーンと上がり、消費も増えて日本経済は順風満帆という、バラ色の未来が待っているのです。
Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.