「サワムラーで上級者に勝つにはどうすればいい?」 ポケモン初心者がガチ勢と本気バトル&感想戦してみた:芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」(4/4 ページ)
サワムラーはガチポケ。【実況動画付き】
相手にじめんタイプが居ないからこそ……
ということで1戦目はほとんど何もできず完敗でしたが、2戦目はなんとかしたいという思いでパーティを少し変更しました。
2戦連続でサワムラーが入ってましたが、外すという発想はなかったんですか?
いや、パーティには入れとくけど出さないつもりでいたのよ。いわゆる「見せサワムラー」ね。
……それ意味ないでしょ。
いや、これは人読みなっちゃうんだけど「あいつ撮れ高のためにサワムラー出そうと意固地になってんな」って思わせておいて出さない、っていう作戦だったんだよ。
でも結果、訳あって思いっきり出ましたけどね。選出のとき、ブロリーさんどう思いました?
正直、サワムラーはもう出すわけないと思って頭の中から切ってて……。
そんな普通のこと考えるな。出すぞ? 俺は。
(笑) ジュラルドンは物理にも特殊にも強く出れる型なのであまり考えずに先発で選びました。で、ダイマックス枠のルチャブルと最後は詰めていきやすいヒヒダルマという感じですね。理由が雑ですけど、初戦が結構簡単に勝てたのでまあ次も勝てるんだろうと思って……。
そこは結構なめてたんだね。
こちら側はまず、相手パーティにでんき技弱点が3匹いることとでんき技を無効化するポケモンがいないことから先発はストリンダーですぐ決まりましたね。
実際俺もそいつは絶対使うって決めてた。
ただ問題は相手のサニーゴ。サニーゴはちからをすいとるや相手をやけどにする「おにび」などを駆使して物理アタッカーを対処することが得意で、耐久力が高いいわゆる「受けポケモン」です。こちらはサワムラーが警戒されてるだろうと踏んでいるのでサニーゴは対策必須ポケモンでした。僕は特殊アタッカーで頼りになるトゲキッスをサニーゴ対策として出すのがいいのではないかと。
俺は、ドラパルトとコオリッポとストリンダーの3匹が強そうだったからこの3匹で行きたかったんだけど、ヤマクエが残り5秒くらいまでずっと説明してるから選べなくて……。
(出てきたサワムラーを見て)頭抱えてましたよ。「絶対それはないだろ……」って。
先発は1戦目に続いて出し勝ちましたが、こちらとしては1戦目の反省を踏まえて、素直に攻撃にはいかず、ここはサニーゴの交代を読んでトゲキッスへ交代しました。
サワムラーはサニーゴに弱いから出さないって予定だったのに、サワムラーが出ちゃった以上はサニーゴがいる前提で動かないとまた同じように負けちゃう、ってことだよね。
そうですね。またここで同じ轍を踏みたくなかったというのもありました。が、結果としてジュラルドンはここで交代せず、「がんせきふうじ」をうってきました。ここは交代を読んでいたんですか?
いや、ぶっちゃけちょっと捨て気味でした。「この対面は負けるけど、どうせ後から捲れるから良いか」と思って、控えポケモンのために「がんせきふうじ」にしました。
ここ当たってたらかなり厳しい展開になってましたね。すばやさが1段階下がるということは、トゲキッスはこのジュラルドンにも先制されてしまうことになるので、このあと駆使する「エアスラッシュひるみ戦法」が使えなくなってしまうところでした。
おーあぶねー!
「ダイウォール」が奇跡の一手に
ひとまず危機は回避しましたが、結果として不利な対面になってしまいました。ここで選択肢としてはサワムラーにもう一度戻す、または「エアスラッシュ」のひるみを狙う、そしてダイマックスを使うなどがありました。
ここでもう1回サワムラー出してもなーって思ったし、今度はちゃんとトゲキッスにダイマックスを使おうと思ってたんだけど、結構時間なくて急いでパパっと技はテキトーに選んだやつにしちゃった。
それがたまたま「ダイウォール」だったていう感じでしたね。
え……。そんな感じだったんだ……(絶句)。
「ダイウォール」って技がなにかも知らないうちに選んじゃったけど、結果良かったっていう。
すでにダイマックス状態の相手ではなく、自分も相手もこのタイミングでダイマックスを使うだろうという状況の初手で「ダイウォール」を使うのはかなり上級者の読みですよ。
いやホントに超たまたまだけどね。これそっちは同じタイミングでダイマックスを使ったけど、それはどういう意図だったの?
すごい失礼なんですけど、初心者だし有利対面だしダイマックス技で1発で倒しちゃおうという気持ちでした。
ダイマックス2ターン目の「ダイスチル」で大ダメージを受けましたが、運よく初手をかわしたことで3ターン目も「ダイウォール」でかわすことができました。「ダイウォール」は連続で出すと失敗しやすい(約3割で成功)ので、相手のダイマックス技を確実に2回かわすには初手の「ダイウォール」しかなかったんです。だからあのタイミングの「ダイウォール」は本当に奇跡の好手でした。
そんなすごい一手だったんだ。
両プレイヤーの思考をガチ比較
ヤマグチクエストの考え
ジュラルドンが居座ってきたのは予想外。タイプ的には不利な状況だが、ジュラルドンは特防が低いため素早さで勝っていれば殴り勝てる可能性もある。サワムラーに交代して受けつつ戦う選択肢もあるが、そこにサニーゴ交代をあわせられると一気に不利になってしまう。かなり難しい盤面。
ブロリーの考え
「がんせきふうじ」が外れたのは不運だが、まだ十分リカバリーはできる。タイプ的には有利な状況であり、「とつげきチョッキ」を持たせているのでどうせトゲキッスには負けないだろうと判断。前の対戦で相手にプレイングミスがあったことを考えると、そこまでうまいトレーナーではない。多少雑にプレイをしても後で挽回できるので、ダイマックスして一気に決めにいく。
相手が負けを覚悟した場面
そしてこちらの狙いはダイマックス技を2ターンかわして耐えきり、そのあとはトゲキッスでひるませ続けて突破しようという作戦でした。
クソゲー始まったぞ! って思ってた。
やっぱり主人公だからひるめ! っていったらひるむんですね。
(怯み続けるのを見て)もう諦めて完全にジュラルドンを捨ててました。
で、ジュラルドンの次に繰り出したのがルチャブル。この対面はルチャブルのほうがすばやさが高いので、トゲキッスがこのまま突っ張れば倒されてしまう場面です。ここで考えなきゃいけないのは、“トゲキッスを残しておかないと倒せないポケモンが相手の残り1体にいるのか”ということです。
こちら側はずっとサニーゴを警戒しているので、相手の控えポケモンがサニーゴだと仮定した場合に、必要がないサワムラーを捨てることにしました。
まあもともと連れていくつもりじゃなかったしな。
ひどい。まぁトゲキッスは捨ててくるだろうと思っていたので、倒せるように弱点技を撃ったんですが交代されちゃいましたね。
で、サワムラーは基本的に最初に「ねこだまし」をうつ係だからここは「ねこだまし」。
この対面はなぜ交換しなかったんですか?
後1体がこおりタイプのヒヒダルマだったので、かくとうタイプのサワムラーの攻撃を受けきれないなと。このへんからもう、「あ、これ負けた?」って思ってます。
この時点で決まりつつあったんだ。
ただ、サワムラーからルチャブルへの決定打がなくて意外と困ってましたね。
なんかもう「どうせ死ぬから強い技使っとこう」みたいな感じでインファイト使った気がする。
ここでインファイトをうったところ、なんと急所に当たって倒しちゃうというね。やっぱサワムラーは主人公だから。
そして最後はヒヒダルマが出てきます。本来ならヒヒダルマのほうがすばやいんですが、今はかるわざが発動しているのでサワムラーのほうが速く動きます。
発動してなかったら?
先攻されて倒されてましたね。ただ、その場合でも控えにミミッキュがいたのでかなり盤石だったとおもいます。そして最後はサワムラーのインファイトで一撃で倒すという、この講座の動画としては最高のフィナーレを迎えることができました。
いやあ、面白かったなあ。
良い試合でしたね。
そうですね、トゲキッスの回避やひるませといった幸運と奇跡のプレイングが噛み合った素晴らしい試合でした。
試合を終えて
たろちんさん、今日は試合と感想戦を同時にやりましたがどうでしたか?
ポケモンバトルはすごいなと思った! とても勉強になったし、面白さの片りんを味わえました。まるで将棋だなと。
将棋もいろんな型と対策がありますもんね。
そう。将棋もたくさん型があるし、その数だけ対策もあるから絶対同じ展開にならないっていうのもよく似てて奥が深いなと。ただ将棋はうまい人と1000回やったら1000回負けるけど、ポケモンは初心者でも勝てる余地があるのが良いなって思った。
そうですね。この2試合でポケモンの良いところがたくさん見られたかなと思います。
いやもう、サワムラーが活躍してくれて、俺はそれだけで満足だよ。
これのためだけに用意したんで良かったです。もう彼が日の目を浴びることはないでしょう。
どんだけ嫌いなんだよ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」:育て屋の前をチャリで往復する時代は終わった? ポケモンガチ勢が語る「過酷すぎた過去作の育成」と「新世代のポケモン育成」
カブトの厳選に28時間かけたポケモン廃人が語る。 - 【レポ漫画】外国人漫画家が日本でデビューする難易度が高かった話
テラスハウスやスピリッツで活躍するペッペさんと担当編集の豆野さんに取材しました。 - 芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」:なんで上級者のピカチュウはギャラドスに10万ボルトを撃たないの? ポケモンガチ勢が語る「ポケモンバトル」の面白さと奥深さ
「ソード・シールド」で「レーティングバトル」デビューしたい人向け。 - 芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」:Switch「moon」発表でなぜゲーマーは狂喜したのか? 「伝説のアンチRPG」と呼ばれたその理由を振り返る
あらゆることの問題と答えを「自分で探していく」ゲーム。 - 芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」:唯一無二の和風RPG「俺の屍を越えてゆけ」を3倍楽しくプレイする方法
「子供たちよ… 俺の屍を 越えてゆけッ」