「†クラウド†」「KURAUDO」を名乗っていた人に聞く思春期のエピソード こうして俺たちは“クラウドになった”:勝手にFFVIIリメイク発売記念(2/3 ページ)
「凶斬りを練習」「クラウド好きの女性に養われていた」
クラウド好きの女性プレイヤーに養われていた
「テニス部だったので、ラケットで超究武神覇斬や勝利モーションを再現しようと頑張りました」
「木刀で凶斬りを練習していたのですが、そのせいで書き順を間違えて先生に怒られました」
取材に協力いただいた7人の中には、クラウドのモーションやリミット技を実際に練習したという人もいた。
ケレン味あふれるモーションに、漢字を取り入れた斬新な技名。クラウドのリミット技には男子を魅了するロマンの全てが詰まっている。長い棒をバスターソードに見立ててしまうのは「クラウドあるある」なのかもしれない。
余談だが、リメイクでは「凶」の書き方がさらにめちゃくちゃになっていて笑ってしまった。
外見や剣技など、現実の自分をクラウドに寄せようとしたエピソードが多い中、オンラインゲーム上でクラウドならではの経験をした人も。「クラウド好きの女性に養われていた」と語るとろ(@Goku_tubushi)さんだ。
――とろさんは、なぜクラウドに憧れたのでしょうか?
とろさん 金髪碧眼、ピアス、バイクなど、現実の社会をよく知らない当時の私が想像した「年上のかっこいいお兄さん像」に完璧に当てはまっていたからです。ハンドルネームをクラウドにしたのは、イケメンかつ孤高の戦士になりきり、周囲の皆とは違う存在になりたかったのだと思います。
――クラウドは弱さや人間臭さも含めて魅力的なキャラですが、子供のころはかっこいい側面ばかり見えてしまいますよね。大人になってクラウドの印象は変わりましたか?
とろさん 当時はクラウド好きであることに一種の特別感を感じていましたが、キングダムハーツやスマブラにゲスト出演する彼を見て、むしろ世界中から愛されているキャラクターなのだと思うようになりました。
――そんな「クラウド」というハンドルネームが中二病の代名詞として扱われることについてどう思いますか?
とろさん まだ中二病の概念が生まれていない時代に、これほど多くの子供たちに影響を与えた功罪はすさまじいと思います。
――「クラウド」を名乗っていたオンラインゲームでは、どのようなプレイスタイルでしたか?
とろさん クラウドが好きらしい熟練の女性プレイヤーに養われていました。ゲーム序盤に声をかけられて、強いモンスターを倒しても「私はいらないからアイテム全部取っていいよ」と。
――すごい……。エピソードの内容にも驚きですし、ヒモとして生活してるクラウドをけっこう容易に想像できてしまうことも目から鱗でした。そんな関係を捨ててまで「クラウド」を卒業したのはなぜですか?
とろさん 2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)で揶揄(やゆ)されているのを知ったからです。
――いわゆる「やめなよ」ですね。最後に、憧れのキャラクターを真似る行為について、現在の考えをお聞かせ願えますか?
とろさん 普段の自分と違う誰かになれる体験はRPGの魅力の1つだと思います。そういった意味では「ゲームを本気で楽しんでいる」といえるのではないでしょうか。思春期特有のちょっとズレた感性が恥ずかしい行動を取らせているだけで……。
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