ネット上で賛否を呼んだ医療従事者の呼称「コロナファイター」 神奈川県知事が「積極的には使わない」と方向転換(1/2 ページ)
“新型コロナウイルスと闘う医療従事者”の応援キャンペーンに使われた言葉
神奈川県・黒岩祐治知事が、新型コロナウイルスと闘う医療従事者の呼び名「コロナファイター」を、今後は「積極的には使わない」方針であることを明らかにしました。
同知事は3月下旬、キャンペーン「がんばれ!!コロナファイターズ」を発表。「コロナファイター」という言葉を通じて医療従事者を応援するとしていましたが、ネット上では「パワーワードで笑う」「煽られている気がする」などの声もあり、賛否両論となっていました。
神奈川県は3月24日、YouTube上に「新型コロナウイルスと闘う医療従事者を応援します〜神奈川県知事からのビデオメッセージ〜」と題した動画を公開。その中で黒岩知事は、新型コロナの対応にあたる医療スタッフの子どもがいじめにあったり、病院が業者から納品を拒否されたりしている実態について言及。医療崩壊につながる危機感もにじませていました。
このような状況への対応がキャンペーン「がんばれ!!コロナファイターズ」の狙い。26日の記者会見では同知事が「(神奈川県)県では、全力でコロナウイルスと戦う医療従事者、『コロナファイター』。こういう言い方をしたい」「県民の皆さんに、医療従事者への感謝のメッセージとともに、『頑張れ、コロナファイターズ』とエールを送っていただき、御自身のSNS等で拡散していただきたい」とコメントしていました。
実際、Twitter上では「コロナファイター」という言葉を使って、医療従事者を応援する声も現れましたが、その一方で、“ネタ”として扱う人たちも。「凄く意義深いことだと思うんだけど、感情の全てが『字面が面白い』の一点に収束する」のような戸惑いの声も上がっていました。
キャンペーン発表から約2週間たった4月7日の記者会見で、黒岩知事は「コロナファイター」に対し賛否の声が上がっていることを認めたうえで、「この名称を使うことで気持ちが離れる人がいるんだったら逆効果」「我々の方からは積極的には使わない」と方針を明らかに。今後は別の形で、医療従事者への応援を広げていく努力をしていくとのことです。
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