GMOインターネットグループは4月17日、顧客の手続きにおいて印鑑を完全に廃止し、契約は電子契約のみのペーパーレスとする方針を決定したと発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がる中、同社グループを含む多くの企業で捺印のために出社して状況を受けたものだとしています。
「はんこ文化」が在宅勤務の妨げになっているという指摘がある中、竹本直一IT政策担当大臣は最近、「民間で話し合ってもらうしかない」「しょせんは民・民の話だ」などとコメント。竹本氏はIT政策担当大臣である一方、「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)の会長であることで知られており、人ごとのようなコメントには多くの批判が集まっていました(朝日新聞の4月14日付記事)。
GMOインターネットグループの熊谷正寿グループ代表(GMOインターネット会長兼社長)は15日、竹本IT相のコメントを受け、「決めました。GMOは印鑑を廃止します」「街のハンコ屋さんは、欧米と同じく公証人事業と電子署名代理店へ転換を」とTwitterに投稿。それから2日で正式発表という、民間のIT企業らしいスピード感となりました。
発表によると、GMOインターネットグループは(1)サービスにおける顧客の各種手続きから 印鑑を完全撤廃(印鑑レス)、(2)取引先との契約は電子契約のみとする(ペーパーレス)──という方針を策定しました(監督省庁や金融機関への提出書類等において捺印を必要とする場合を除く)。
これを受け、まずGMOインターネットが提供するサービスで、 17日正午から顧客手続きにおける印鑑を完全撤廃しました。またGMOクリック証券では法人口座の解約における印鑑の廃止を発表し、GMOあおぞらネット銀行も印鑑を不要にする方向。今後、グループで順次、お客の申し込み・解約の際の印鑑を撤廃していく計画です。
また全ての取引先企業に対し、今後は電子契約への切り替えを要請していきます。
GMOインターネットグループは「GMOインターネットグループでは、 不要不急の外出の自粛が求められている緊急事態にありながらも、 出社対応が求められる現状を変えていくべく、 この度、 上記(1)(2)の方針を決定いたしました。 また、 これにより日本における電子契約の普及・発展をグループ全体で推進してまいります」とコメントしています。
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