江戸時代の春画師が令和の世にタイムスリップ。連載漫画家の職場で求めていた“表現”と出会い、漫画家のアシスタントをする漫画『武士スタント逢坂くん!』が止まらない熱い展開です。真っすぐな心が生むギャグと勢いにのまれる……!
当時禁じられていた春画を描いていた、武士で春画師の逢坂総司郎。処刑される寸前まで「もっと、もっと画を……」と強い未練を持っていた彼は、気付くと現代の漫画家の仕事場にタイムスリップしていました。一方で、オフィスに急に現れた“亀甲縛りされた裸体武士”という謎の状況に漫画家・宮上裕樹は混乱。2人はインパクトがあり過ぎる出会いを果たしたのでした。第1話の絵面がとにかく強すぎた……。
現代の“まん画”の技術と表現に心打たれた逢坂にお願いされて、漫画家・宮上は江戸から来た彼に「家に居る間だけなら」と、漫画を教える約束します。しかし、宮上も締切が迫っているギリギリの状況……そんな第3話では、誰でもできて原稿も汚れず、他のアシスタントの負担も減らせる「消しゴムがけ」の仕事が逢坂に与えられます。
ペン入れ後の“シャーペンで描いた下描き”を消すこの作業。簡単なことですが、逢坂にはできませんでした。その理由は、
「下描きといえど画は画! 先生の画にあられまする!!」
という敬意から。本来なら学ぶ姿勢と時間を呼ぶ大事な心掛けですが、宮上はたまらず「敬意が過ぎて、メンドクセェ!!(いいから消せや)」と心の中でツッコミます。画に対する思いが強すぎる真面目さからの全力の叫びだけに、イライラせず、笑って応援したくなる……!
さらに逢坂は、「下描きは『理想の線』を引くための線」だと教わったことから、自身のこれまでを振り返り、その生涯を“下描き”に重ねます。日陰者として駆け抜け、最後は罪人となった彼の「忘れ去りたい日々」――その日々の中から清らかさだけを残して消す、つまり消しゴムがけとは「下描きの供養と心得たり――」。当時の逢坂を支えていた、春画を愛す人々との思い出シーンが熱い!
そうして会得した逢坂の作業速度は、プロも「速っえ!!」と驚く優秀ぶり。そしてついに逢坂は、漫画家・宮上に弟子として仕えさせて欲しいと願い出ます。「多少、剣術の心得が有ります故…」と用心棒としての能力まで挙げつつ、彼は宮上を主君として、また師として仕えたいと心の底から願ったのでした。これからどう物語が動いていくのか……やっぱり先が気になりすぎる!
ヨコヤマノブオ(@nitro_nicotine)さんによる『武士スタント逢坂くん!』は、現在『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載中。4月27日にはコミックス第2巻も発売され、Twitterでも「笑った」「アツい」「これは感動」の声が上がるなど、ますます注目を集めている同作。公式サイトでも第1話の試し読みができるので、まだ読んでいない人はぜひ。
『武士スタント逢坂くん!』の第3話
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