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緊急事態宣言、全面解除へ〜経済回復まで5〜6年かかる

東日本大震災の後、GDPが元に戻るまで6年かかっている。

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ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月25日放送)に第一生命経済研究所 首席エコノミストの永濱利廣が出演。政府が首都圏1都3県、北海道で継続している緊急事態宣言が全面的に解除されるニュースについて解説した。

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【新型コロナ 原宿】原宿駅前をマスク姿で歩く人たち=2020年5月23日午前、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

緊急事態宣言、全面解除へ

政府は東京など首都圏1都3県と北海道で継続している緊急事態宣言を解除する方針を固めた。これにより4月7日から出されていた緊急事態宣言は全面的に解除となる見通しである。

飯田)昨日(24日)も総理官邸に総理以下、関係閣僚が集まって感染者数の動向、医療提供体制など、対応を協議しておりました。25日に解禁、そして総理も会見の予定となっております。4月7日から始まってこの1〜2ヵ月、すごく長かったという感じがあります。

永濱)それ以上に中小企業の経営者や、個人経営のお店の方々にとってみれば、本当に厳しい2ヵ月弱だったのではないかと思います。

飯田)その資金繰りの厳しさはいろいろと伝え聞いていて、対応策も出されましたけれども、効果は表れていると言えますか?

永濱)いちばんの問題は、支給までのタイミングがあまりにも遅すぎるということだと思います。一応、政府の方も改善はしていますけれども、雇用調整助成金1つを取ってみても、例えばドイツでは、2種類の書類で、2週間以内にお金が入るのに対して、日本は最初は書類が13種類も必要で、入るまでに2ヵ月かかるという状況でした。いまでは、3種類までに減っているということですが、金額が少ないということ以上に、スピード感が非常に遅いところが問題だと思います。

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緊急事態宣言下の渋谷の様子=2020年5月17日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

さらに増える倒産件数〜経済が回復するまでに5〜6年

飯田)倒産件数も増えている。5月の数字は当然まだ出ていませんが、かなり厳しい数字になることが予想されますか?

永濱)だと思います。実際に倒産を専門に分析されている方に伺うと、今回の緊急事態宣言だけでなく、コロナの影響で年間倒産件数が1万件を超えるのではないかと言っている人もいます。緊急事態宣言が解除とは言っても、段階的に回復させるということなので、厳しい状況は続くと思います。倒産件数は増えざるを得ないでしょう。

飯田)当初は、コロナの影響が1〜3月から4〜6月くらいまであって、そこからV字回復するというようなことも言われていましたが、永濱さんはどうご覧になりますか?

永濱)4〜6月が最悪で、7〜9月からは戻ると思うのですが、ただVというよりも、Lの下がちょっと上に向くくらいではないでしょうか。経済が元に戻るまで、5〜6年かかるのではないかと思います。リーマンショックのとき、あのときは東日本大震災もあったのですけれども、GDPが元に戻るまで6年かかっているのです。そういうところからすると、今回、世界恐慌以来の世界的なダメージが来ているわけですから、相当厳しいと思います。

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【新型コロナウイルス】営業を再開した店舗も目立つ千日前商店街=2020年5月17日午前、大阪市中央区 写真提供:産経新聞社

上昇傾向の日経平均株価〜調整の局面が来る可能性も

飯田)そのなかで1つ、素人の素朴な疑問なのですけれども、これだけ厳しいと言われているのに、日経平均株価が下がらないどころか、2万円台回復という展開が続いているではないですか。これはどう見たらいいのですか?

永濱)基本的に株価というのは、将来の企業業績の見通しに基づいて動きます。しかし、残念ながら足元の状況だと、そもそも企業業績の予測が難しいというなかで、材料がありません。それこそワクチンの開発が前進したというような、期待感だけで上がっているのです。更に言うと、日本はそこまでではありませんが、世界的に、過去にやったことがないような金融財政政策を「ドカン」とやっています。その辺で余ったお金が逆に、いまの投資対象でいうと、なかなか行き場がない。そういうなかで、株が最初の段階で相当下がりましたので、株価にお金が集まりやすいということだとすると、私は企業業績がある程度読めるようになれば、このまま順調に株が上がるかと言うと、一旦、少し調整の局面が来る可能性もあると見ています。

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