新潟大学の研究により、顔が魅力的であるほどその人の服装も魅力的に見えることが分かりました。ただし服装の評価に与える影響は女性の顔の方が男性よりも大きかったといいます。
研究を行ったのは人文学部の新美亮輔准教授と同学部心理・人間学主専攻プログラム卒の山田真也氏。この実験では、顔の魅力が高い人と低い人の写真に、さまざまな色や柄のTシャツを合成し、観察者に提示しました。服の魅力は7段階で評価してもらいます。写真の表示時間は直感的に判断してもらうために1秒のみ。男女の大学生それぞれ30名が観察者として参加しました。
実験の結果、服装の評価は顔の魅力と関係していることが明らかになります。写真の性別および観察者の性別にかかわらず、魅力が低い顔よりも魅力が高い顔の方が服装の評価は有意に高くなったのです。
ただし顔の魅力が服装に与える影響は女性の顔に顕著で、男性の顔の場合は差が小さかったといいます。観察者が男性でも女性でもこの傾向に違いはなく、男性の場合は顔の魅力が低い場合でも、服装の印象をあまり落とさないと言えそうです。
女性に限って顔と服装の影響が大きくなる正確な理由は分かっていませんが、社会規範やそれに基づく認知の枠組みが影響している可能性があるとされています。今回の研究は観察者が大学生に限定されていたので、この現象の一般性を確かめるために大学生以外の人からの評価や異なる地域などで同じ実験を行うなどが考えられるとのことです。
論文では研究の背景として、顔や服装の魅力は対人関係の印象を左右するものとして世界中で研究され、さまざまな研究成果が発表されてきたことを説明。一方で顔と服装の関係性についての研究は乏しかったことから、今回このような研究が実施されました。
論文は日本心理学会の機関誌『心理学研究』に掲載されています。
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