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中学時代のいじめを懺悔する相談者を加藤諦三がぶった切る「偽りの自責感です」 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)

「だから誰にも相談できないの。いい人を演じているから」。

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単純に自分に嘘をついているだけの話

 この日の回答者は、シンクロの銅メダリストでメンタルトレーナーの田中ウルヴェ京。

 「いじめに対して、『ああ、なんて人を傷付けてしまったんだ』ということを初めて思ったのはいつですか?」

 「いじめが終わった翌年の、中学3年生だったんですけれども」

 「(両親や夫に相談を)なぜしてないんでしょう?」

 「自分が最低の人間であるっていうのを……。それを話すことによって自分がやって来たひどいことであったり、いじめていた人がその後、ちょっと病んでしまったっていう噂も聞きまして」「怖くて、そのウワサも確かめられず。相談することによって、それと向き合わないといけないというのも怖く」

 自分の罪と向き合うことから逃げてきた相談者だが、なぜ「テレフォン人生相談」に電話をかけてきたのだろうか。

 「死にたいと思っていたことも、この子(娘)のためにかなえられないなと思ったこと。そしてその子が生まれて人の親になり、いじめていた事実をより罪に感じるようになったこと」

 「大事なことおっしゃいましたね、『死ねなくなった』。つまりホントの落とし前つけなきゃいけなくなったんですよね。母親になって」

 いじめ加害者であったという事実はいまさら変えられない。いじめ被害者の人生も変えられない。親になったことで、いじめ被害者の親の気持ちも分かるようになったが、それも変えられない。じゃあどうすればいいのか?

 「どんな悪いことをしたとしても……ちょっと極端ですけれど、アナタには理由があったはずですよね、その当時。要はいじめた理由が」「その辺ちょっと具体的に自分で過去の整理のために、“アナタはなぜいじめたのか”っていうのをちゃんと掘り下げるというのは、まず母親一年生としてできることです」

 いじめた事実は変えられないが、そのことによって学べることがあると指摘。

 「お子さんがこれからいろんな行動をしますよね。もしかしたら人をいじめるかもしれないし、いじめられるかもしれない。その行動の裏にちゃんと注目できる母親になれる可能性があります」

 いじめ被害者からしたら、いじめをしていた過去を子育ての教訓にされるなんてたまったもんじゃないだろうが、いじめ加害者からの相談に答えるとしたら、こんなところが無難な回答か。

 加藤諦三が引き取る。

 「要するに今まではアナタね、本当の自分とか正体を隠していい人に見せることで社会の中を生きてきたんです。ところがもう防衛できない段階に達したんです、子どもができて。こういうのは“防衛の瓦解”っていって、アナタのタイプによくあることなんです」「社会的に真面目そうな顔をして自分を責めているけれども、実は単純に自分に嘘をついているだけの話」

 相談者が「テレフォン人生相談」に電話してきたのには「いじめをしていた過去を誰かに許してもらいたい」という意図もあったのではないだろうか。加藤諦三がそのずるさを見抜いてズバッとぶった切ってくれてスッキリした。

 とはいえ、「いじめられた方は一生覚えているけど、いじめた方は卒業したらすぐに忘れる」なんてよく言われる中、30歳になっても中学時代のいじめ加害について覚えている相談者はまだマシとも言えるが。

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