【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年9月30日)
昭和39(1964)年に開業したニッポンの新幹線は、10月1日で57年目に入ります。
56年にわたるこの間、脱線等によって乗客が亡くなる列車事故はゼロ。
技術もブラッシュアップされ、2020年夏には、新型のN700S新幹線電車が登場しました。
この日も小田原城をバックに、N700Sが充当された「のぞみ」号が、箱根から流れ出した早川を一気に渡って行きました。
早川の河口には小田原漁港があり、新鮮な海の幸を味わえるスポットとして有名です。
そんな小田原の海を思い浮かべていただきたい駅弁といえば、明治21(1888)年創業の「東華軒」が、9月1日に発売した新作、「しらすお楽しみ弁当」(880円)かも知れません。
これまでの「釜揚げしらすとじゃこのお楽しみ弁当」をさらにバージョンアップした駅弁で、スリーブ式のパッケージも、相模湾の漁の風景を思い起こさせるものとなっています。
【おしながき】
- いりこ菜めし 釜揚げしらす じゃこ有馬山椒添え 海苔 小梅
- 厚焼き玉子
- 煮物(鶏肉、椎茸、人参)
- みぶなとわさびの醤油漬け
大きなリニューアルポイントは、ご飯が白飯から「いりこ菜めし」に変わったところ。
これによって、釜揚げしらす、じゃこ、いりこの風味がきいた味付けご飯という3つの味が楽しめる、ちょっぴり懐かしい雰囲気の海苔弁へと生まれ変わりました。
東華軒によると、お客様の声を反映して、少し濃いめの味付けにしたとのこと。
厚焼き玉子が加わって、塩辛い系と甘い味のバランスも、よりよくなりました。
10月1日から、東京在住の方も「Go to トラベルキャンペーン」の対象となります。
新幹線を利用した旅行商品なども充実しており、待ちに待った「お出かけ」を計画されている方も多いことでしょう。
ただ、“withコロナ”の時代、移動の際は各自万全の対策をした上で、過剰な自粛をせず、“いまできる”鉄道の旅を存分に楽しみたいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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