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意味がわかると怖い話:「Zoomしようよ」(2/2 ページ)

Zoomの仮想背景の後ろにあるのは……。

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「Zoomしようよ」解説

 志穂はスマホでZoom通話をしています。つまり、最後に語り手が電話をかけた相手が志穂だったなら、“背後で着信音が鳴る”ということはありません。語り手が電話をかけたのは、志穂のスマホではないはずです。

 一瞬だけ映った部屋にあった、オレンジ色のソファとグリーンのラグ。そして、「妙も同じものを持っていた」という志穂の着ているバンドTシャツ。

 そう。志穂は語り手が出張に行っていて、その夜は妙がマンションに一人でいることを知り、邪魔な彼女を「片付け」に向かったのでした。ラグに広がった染みからして、おそらく多量の出血を伴うような殺害方法で。だから志穂は、返り血を浴びた服を部屋にあったTシャツと着替えたのです。語り手は、志穂のいる場所が自分のマンションだと確認するために妙のスマホに電話したのでした。

 ZoomやSkypeなどのオンラインミーティングは、一気に使用人口が増えましたね。身近な新アイテムとして、小道具として使った怖い話もそろそろ生み出されているころと思います。「上半身しか見えない」→隠れている下半身がえらいことに……! という、「足を掴む手」系の話の亜種や、「バーチャル背景で場所を隠せる(そしてそれがふとした瞬間に解除されることがある)」→「ストーカーから送られてきたビデオメッセージに映っている背景がどう見ても自分の部屋」系の話のバリエーションなど、いろいろとできそうです。

白樺香澄

ライター・編集者。在学中は推理小説研究会「ワセダミステリ・クラブ」に所属。怖がりだけど怖い話は好き。Twitter:@kasumishirakaba


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