歌手ハリー・スタイルズが表紙を飾る『VOGUE』12月号カバーとインタビューが11月13日、一足先にオンラインで公開。「服で遊ぶことはこの上ない喜び」と奇抜な衣装やドレス、スカートを着こなし話題となりました。しかし同誌のインタビューで女性用、男性用といった垣根を取り払えばよりファッションを楽しめると語ったハリーの意に反し、ファッションを通じた“男らしさ”が議論の的になっています。
アメリカ人作家のキャンディス・オーウェンズは15日、『VOGUE』によるドレス姿のハリーのツイートを引用し自身のTwitterへ「強い男なしに社会の存続はあり得ない」と投稿。「男性の女性化」を主張し「男らしい男を取り戻せ」と強い言葉で訴えました。
オーウェンズのツイートはセレブを巻き込む議論の発端に。自身の監督作「Don't Worry Darling」にハリーを俳優として起用したオリヴィア・ワイルドは一言オーウェンズへ「哀れな人」とリプライを送り批判。また俳優のイライジャ・ウッドは「誤解している。いわゆる“男らしさ”だけが男を構成するわけではない」と反論しています。
加えてハリーのファンを中心に服装の自由を擁護するツイートが相次ぎ、Twitterの米トレンドには一時ハリーの名前が浮上。「何を着ようとハリー本人の自由」と本人の考えを尊重する意見や、「彼にはドレスがとても似合っているじゃないか」とシンプルにセンスを評価するコメントなどが見られました。さらに「ドレスを着ただけで彼の男性性が揺らぐわけない」「服に性別はないでしょう」とファッションを通じた“男らしさ”批判がナンセンスであるとの訴えも投稿されています。
近年、スカートやメイクを含めて自由にファッションを楽しむ男性が増加。日本でもジェンダーレス男子という言葉が定着し、SNSなどで人気を得ています。ハリーの支持層には彼と同じようにファッションを楽しむ男性も多く「ハリーみたいになろう」と『VOGUE』で披露したドレスショットを再現した自撮りを投稿するTwitterユーザーも見られました。
そもそもデヴィッド・ボウイやプリンスなど、奇抜なファッションやメイクを取り入れるロックスターは以前から存在。ハリー自身もこれまでバレリーナ風衣装やドレッシーなスーツを含めて、パフォーマンス時やレッドカーペットなどの表舞台で個性的な衣装の数々を着こなしてきたことから「何をいまさら」的な意見も数多く聞かれています。
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