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意味がわかると怖い話:「ツイートトラップ」(2/2 ページ)

玄関先に置いてあった変なモノ。

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「ツイートトラップ」解説

 「ターゲットとなる家の前に『変なモノ』を置いておき、その家の住人がSNSに投稿するのを待ってアカウントを特定する」――新しい空き巣の手口として最近、たびたびニュースなどで取り上げられています。

 「くわがた」というツイッターアカウントは、語り手の「深山」のものでした。彼は「平田」から送られた画像を使い、あたかも「くわがた」の自宅に狸が置いてあった=「くわがた」を平田のアカウントと誤認させるようなツイートをしたうえで、「3連休には『くわがた』は2泊3日の旅行に出かけている」と書き込んでいました。

 無論、深山は狸の置物が空き巣の下調べである可能性も承知していましたし、平田がSNSをやらないことも、3連休に自宅にいることも確認していました。そして、向こう見ずな平田の性格からして、仮に空き巣と家で鉢合わせした際には、捕まえようとして身体的被害をこうむるかもしれないことも十分に予測できたはずです。

 彼らは「自分の身に何かあった時は相手にコレクションを寄贈する」という遺言を取り交わしているわけで、その「何か」があった今、語り手がうらやましがっていた平田のコレクションは彼のものになるのでしょう。

 深山はあくまで自分の旅行の予定を書き込んだだけで、狸の置物についても、友人の体験談を自分の話と脚色して話しただけだと強弁するでしょう。平田のコレクションを奪うために彼を殺そうとしたのだとは、認めるはずがありません。ヒラタもミヤマも、「くわがた」というニックネームを名乗っておかしくない名前ですから。

白樺香澄

ライター・編集者。在学中は推理小説研究会「ワセダミステリ・クラブ」に所属。怖がりだけど怖い話は好き。Twitter:@kasumishirakaba


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