名作『オホーツクに消ゆ』×JR北海道「流氷物語号」 奇跡のコラボができるまで:月刊乗り鉄話題(2020年12月版)(2/4 ページ)
「観光列車と名作ファミコンゲーム」を結んだ熱きコラボの裏側とは。ボス、大変です……! 堀井雄二さん、荒井清和さんからメッセージも。
「オホーツクに消ゆ」とコラボを 新聞の囲み記事をきっかけにSNSで願いが伝わる
きっかけは北海道新聞 2020年3月17日朝刊に掲載された小さなコラム「朝の食卓」でした。
サブタイトルは「オホーツクに消ゆ 再び」。著者は「農業写真家 石黒明」さん。鉄道とまちづくりを盛り上げる任意団体「MOT(もっと)レール倶楽部」の会長でもあります。釧網本線や石北本線を盛り上げるため、SL列車歓迎イベントなどを企画。JR北海道の「流氷物語号」でも運行当初からおもてなし活動を実施し、車窓ガイドや記念グッズ製作、車内販売を続けてきました。
石黒さんにとって、網走を訪れ、暮らし始めるきっかけが『オホーツクに消ゆ』だったそうです。ゲームの序盤に登場する北浜駅や網走港、網走監獄は、まさに観光列車「流氷物語号」のルートと重なります。
石黒さんのコラムは「観光列車と名作ゲームのコラボレーションによって、ひがし北海道の魅力を紹介したい。しかしゲームの著作権者の同意が必要だ。どなたか力を貸してほしい」と結んでいました。
石黒さんが新聞掲載と同時にFacebookで発信した記事を読み、さらに拡散させた人物がいました。北海道鉄道観光資源研究会会長の永山茂さんです。永山さんは北海道の旅行会社で重席を歴任した方で、道南いさりび鉄道の観光列車「ながまれ海峡号」(関連記事)の仕掛け人のひとりとしても知られます。その永山氏が「私はゲームに詳しくないですが、どなたかいらっしゃいませんか」とシェアしました。
永山さんのシェアに反応した人物がいます。オホーツクに消ゆの発売元であり、今はなき出版社アスキーに勤務していた鉄道ライター、そう、私です。永山さんには取材でお世話になっています。永山さんの投稿を見て、すぐに「古巣の会社です。会社はもうありませんが、心当たりがあります」コメントしました。
このやりとりを見た友人、札幌市在住のイラストレーター、鈴木周作氏からも「石黒氏は信頼できる方ですから応援してあげてください」とメッセージをいただきました。
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