冬至を迎えるタイミングで「ゆず湯(ゆず風呂)」を開催した大阪府の銭湯が、投入してから1時間足らずでほとんどのゆずがつぶされたとして「お願いだから潰さないで!!」と呼びかけています。
大阪府貝塚市にある「天然温泉 清児(せちご)の湯」は、Twitterで「柚子を投入して1時間足らずで、男性側はこの有り様です」と、つぶれた大量のゆずを並べた写真付きで投稿。これにより、スタッフが「潰された果肉と種を網とホースで救い出す作業」に追われることになり、今後も続いてしまうと同じようなイベントができなくなると、悲しい現状を伝えています。
なお、ゆず風呂の注意事項についてはPOPにも書いており、呼びかけもしてるとのことでした。
ねとらぼが銭湯側に取材し、同様のことがこれまでにもあったのか伺うと、以前開催した「伊予柑風呂」や「みかん風呂」でもつぶされたりすることは多々あったそうです。ただ今回のように「(ゆずを)入れて1時間もしないうちに全滅」というのは初めてとのこと。
また、お客さんに小さい子どもが多かったというわけでもなく、ほとんどが大人だったことから、余計に「えええ!?」と驚いたようです。
銅銭湯では温泉が循環式のため「湯が下のボイラーに送られ、ろ過され、また湯船にいく」といった仕組み。ゆずをつぶすと、その途中で配管がつまるといった機械トラブルの原因になります。
それを防ぐため、約20分〜30分はかかる「ホースでゴミを吸い取る」といった作業が発生。特に今回はあまり慣れてない若いスタッフだったこともあり、指示などに手間取ってしまったといいます。今回は投入から30分程度だったため大事には至りませんでしたが、「ひどい時にはお湯の入れ替えも必要になる」とのこと。
過去には果実をネットに入れるなどの対策をしたことも。しかし「それだとやっぱり風情がない」と、今回は注意書きだけして、そのまま楽しんでもらえたら――という思いから開催。しかし残念ながら、今回の結果となってしまいました。
Twitterでは「これは本当にかなしくなりますね」「どうしてこんなことしちゃうんだろう」と、銭湯側と同様に驚く声が寄せられ、他の銭湯の公式Twitterからも「お客様ひとりひとりのご理解と最低限のマナーモラルを信じて開催しています」「絶対にしないでください」と注意喚起として拡散されています。
他にも客側のマナーとして「掃除とか大変だし普通は自分の家では潰してたとしてもよそのとこのまではやらないと思います」や「風呂掃除したことあればこんなことしない」といった声も。
今回のように店側が「やめて」と伝えている行為は、多くの人に迷惑がかかったり、危険だったりするものです。お互いのためにも注意事項は必ず守るようにしましょう。
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