少し前から渋谷のスクランブル交差点(ハチ公前)に掲示されている、「墾田永年私財法」と書かれた謎の巨大広告がネット上で注目されています。場所が場所なだけに、定点カメラや無関係なニュースどでも目に入ってくるのですが……広告が気になりすぎて他の内容が頭に入ってこない!
広告は赤と白だけのシンプルなデザインで、白地に大きな赤い文字で「墾田永年私財法」と書かれています。実は近くで見ると何の広告か分かるのですが……たまたま写真や映像に写ってしまっただけだと、「墾田永年私財法」という文字だけが異様に目立ち、字面や語感の強さもあって「気になってこれしか情報が入ってこない」「ぜったいトレンド入りするだろ」など困惑する声が多くあがりました。
実はこの広告、明治「明治プロビオヨーグルトR-1」が、受験シーズンに合わせて打ち出したもの。例年より一段と孤独を感じやすかったであろう受験生に「ひとりじゃない」と伝えるため、「数学で腹が立ったこと:移動する点P」「受験勉強で覚えた『語感の気持ちいい言葉』:墾田永年私財法」など、ラジオ番組とのコラボで集まった「受験生のリアルな声」を広告として掲出したものでした。広告は2月1日から、渋谷駅前と東京メトロ銀座線・丸ノ内線の車内で展開中。「墾田永年私財法」はその一つだったわけですね。
Twitterでの反応を見ると、実際に渋谷で見たという人もいれば、「ニュースのオープニングで写って気になっていた」という人も。中でも注目を集めたのは、東京都総合防災部のアカウント(@tokyo_bousai)が2月3日に投稿した「新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛への協力等の呼びかけを実施しました」というツイートで、職員たちが渋谷駅前で外出自粛を呼びかけている写真の背後に「墾田永年私財法」がドーン! もはやお知らせの内容が「墾田永年私財法」に完全に負けてしまっており、リプライでは「後ろの存在感に全て持って行かれる」「墾田永年私財法が成立したと思った」といった声も寄せられていました。
ちなみに「墾田永年私財法」とは、奈良時代の天皇の施策の一つで、乱暴に言えば「自分で開墾した土地は自分のものにしていいですよ」というもの。歴史の授業で覚える単語の中でも屈指の「語感の良さ」で、内容は忘れてしまってもなんとなく単語としては覚えている、という人も多そうです。
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