飼い主に置き去りにされ、9年間1匹で暮らしていたシニアワンコを発見した人が、米の非営利動物救助団体「Hope For Paws」に連絡。ワンコが無事保護されて新しい家族のもとへ向かった一部始終がYouTubeで公開されています。涙もろい人はバスタオルを用意してから見てください。
連絡者は、野良猫が増えすぎるのを減らすためのTNR活動をしていました。TNR活動とは、「Trap(捕獲)」「Neuter(不妊・去勢)」「Return(元の場所へ戻す)」の頭文字をとった活動を指し、「地域猫活動」とも言われています。その活動の途中に連絡者が廃品置き場へ向かったところ、そこに住むシニアワンコに出会ったそうです。
「Hope For Paws」のスタッフが向かうと、放置されたコンテナの下の隙間に黒いワンコの姿が見えました。ワンコは右目を失っており、スタッフを警戒するように数回鳴き声をあげます。
スタッフが周囲に話を聞いたところ、ワンコの飼い主は9年前に国外追放され、その際に置き去りになってしまったようです。かわいそうに思った人がエサをあげていたため、なんとか9年間生き延びられましたが、これまで動物病院に行ったことがなく健康状態がよくありません。また、ワンコがトラックにはねられていたことものちに分かり、右目を失ったのはそのせいだったようです。
スタッフはワンコの信頼を得るため、おやつをあげたりやさしく声をかけたりして、時間をかけて少しずつコンテナの下から出てこさせます。幸い、ワンコはおやつに興味を持ってくれて、ゆっくりとスタッフのほうへ近づいてきました。まだ不安そうな目をしていますが、捕獲用のヒモを首にかけてもパニックになったり怒ったりする様子はありません。そのままケージの中に入れて無事保護に成功しました。
ワンコは「Josephine(ジョセフィーヌ)」と名付けられました。でもスタッフいわく、ジョセフィーヌはあだ名の「Pheenie(フィーニー)」のほうがお気に入りの様子をみせているそうです。フィーニーはしばらくして、「L.A. Animals Rescue」で残りの人生を過ごすことが決まりました。
新しい場所でフィーニーは、また愛される喜びを知り、温かい日差しや冷たい雪を感じ、新しい友達と遊んで暮らしました。保護されてから5カ月後、フィーニーは暖炉のそばで横になりながら、温かい寝床で死を迎えました。動画は「すぐに助けてあげられなくてごめんね」というスタッフの言葉で締めくくられています。
動画の説明欄には、飼い主に予期せぬ出来事が起きたときにペットが置き去りにならないよう備えておくようにと注意喚起がされています。ペットを飼っている人は、身近な人に事前にお願いしておいたり、家にいるペットの情報や緊急連絡先を書いたカードを持ち歩いたりするなど、この機会にぜひ対策してみてください。
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