特殊なフィルムを使って作られた、衣服が宙に浮いて見える透明なハンガーがTwitterに投稿され注目を集めています。
透明なアクリル製のハンガーであっても、普通なら光が反射してその“形”が見えるはずですが、まるでフォトショップで編集したかのようにハンガーが消えています。写真を拡大してよーく見るとハンガーの輪郭が確認できるのですが、むしろそこまでしなければ気付けないレベルです。一体どうなってるんだ……。
投稿したCreative Technologistの諸星智也(@tomoyamorohoshi)さんによると、この「air hanger」と名付けられた作品には、「モスマイト」と呼ばれる反射防止フィルムが活用されています。表面の光の反射を抑えることで、消えたように見えるほど透明性の高いハンガーを生み出したのだとか。
ちなみにモスマイトは、三菱ケミカルと神奈川科学技術アカデミーの共同研究によって開発されたフィルム。夜行性である蛾が持つ、光をより効率的に取り込める複眼の突起構造(モスアイ構造)を模倣した作りとなっていて、これまで医療用モニターや額装などに採用されています。
「air hanger」は、さまざまな素材の可能性を引き出す展示会「15 EXPANSIONS」に向けて制作された作品。5月11日より、モスマイトを題材にMaterial ConneXion Tokyo(東京・六本木)で開催予定でしたが、緊急事態宣言発令の影響で無期限延期に。
残念ながら実物を見られる機会は未定となってしまいましたが、「商品撮影でめちゃくちゃ便利そう」「欲しい」といったリプライが多く寄せられるなど、予想以上の反響と問い合わせがあったことから、現在商品化を検討中とのことです。
なお、コメントの中には舞台関係者やマジシャンから「使ってみたい」と希望する声も上がっています。確かに面白いトリックになりそう……!
画像提供:諸星 智也(@tomoyamorohoshi)さん
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