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アンティークな歯車ギミックがたまらない! カギを回すと動き出す「歯車のオルゴール」がステキ(1/2 ページ)

作者のここたねさんに作品について詳しく聞いてみました。

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 ロマンあふれるギミックを詰め込んだ歯車のオルゴールがTwitterで「すてきすぎる」「ドキドキとワクワクが止まらない」と感動を呼んでいます。

歯車 オルゴール ハンドメイド 手作り アクセサリー 作品 美しくもかっこいい歯車のパーツを……

 おしゃれな雰囲気が漂う歯車。それを小さな箱型の本体に、歯車がかみ合うようにはめ込んでいきます。この時点で、ファンタジー世界のアイテムのようなビジュアルにときめきますが、箱の右下には小さな鍵穴が……?

歯車 オルゴール ハンドメイド 手作り アクセサリー 作品 ほどよいサイズ感の本体にはめ込みます

 カギを差し込んでひねると、なんとオルゴールの音とともに全ての歯車が回り始めます(!)。それは機械仕掛けでも魔法のような光景で、見る者を一瞬で夢の世界へと連れて行ってくれます。終始すてきで何度も見てしまう……。

歯車 オルゴール ハンドメイド 手作り アクセサリー 作品 小さいカギを差して回すと
歯車 オルゴール ハンドメイド 手作り アクセサリー 作品 全部の歯車が回って音楽が鳴り出します。世界観がすてき……!

 さらに、はめ込む歯車は単なるパーツではなく、単体のアクセサリーとしても楽しめます。歯車部分がネックレストップ、そして鍵はそのネックレスのチャームになっていて、そのままネックレスとして身につけることができるというわけです。

 作者は、今回のような手作りのオルゴールやアクセサリーを制作している「ここたね」(こころのたね/@cocolonetco)さん。東京・蒲田で20年ほど写真店を営み、7年ほど前から実家の事情により愛知県で活動しています。

 Twitterで8万いいねを集め、国内外から「素晴らしい」「とてもかっこいい!」「欲しい」の声が寄せられた“歯車のオルゴール”について、ここたねさんに詳しく聞いてみました。



――歯車の材質と、切り抜いた方法を教えてください。

ここたね 主な材料・材質はMDF(中密度繊維板)の2.5ミリ、歯車は裏側の1個はアクリルの2ミリ、他は全てMDFです。切り抜き方法はレーザーでの切り抜きになります。機材は「FABOOL Laser Mini」です。

――アンティークのような質感がすてきですが、こうした色味はどのように出しているのでしょうか?

ここたね  うれしいお言葉をありがとうございます。質感は切り出して、そのままの色味になります。アンティークのような質感は早い話が(レーザーの)焦げと煙の色ですね。焦げた香りも最高なんですよ。

――できたての香りまで楽しめるのは作り手の特権ですね……! 内部のオルゴールは市販品ですか?

ここたね オルゴールモジュールは市販品です。型番は、日本電産サンキョーの18弁タイプの「3S(ミニチュア)」という商品になるかと思います。俗に「縦軸タイプ」といわれるもので、小型ですが18弁(※振動板の弁数で、18弁は曲数も多くスタンダードなタイプ)を備えてます。私が知る限り、一般品としては最も小型で扱っているオルゴール館はかなり少ないですが、入手は可能です。


――制作過程のツイートを拝見していて、「今の材料とか(自身の)技術ではこのサイズでほぼほぼ目いっぱい」という投稿が印象的でした。組み上げる上で特に難しかった点、こだわった点がございましたら教えてください。

ここたね 今回の作品の組み上げで目指したのは、「このサイズで最も多くの歯車を良い感じで入れる」ことでした。多くの歯車を入れるために5層になっており、ほとんど1軸に対し2個の歯車を装着しなくてはいけないので、詳しく説明すると長くなりますが、簡単に言うと「段取りの把握」が大変でした。

 段取りを間違えると、とても面倒な修正が必要になります。面倒な作業が挟まると、精度を損なうことにつながります。いかにシンプルにするかが大切で、「初心者にもできる方法は、熟練者にとっても目指す方法」だと私は思っています。

 こだわった点としては、やはり「メンテナンスをどうするか?」です。私は芸術家ではなく、多くの作品は販売して、お迎えしていただいた方の生活の一部として楽しんでいただきたいと思っています。その場合、破損は必ず起きるものと思っています。破損した場合は分解しなくてはいけません。それを考えたとき、この狭い実装面積の5層構造はネックになります。

 それをどうやって解決したかの説明は、これもまた長くなりますので、今後のコロナ禍の状況次第ではありますが、ぜひイベントに来てください。実物を触って頂きながら、喜々としてご説明差し上げますので(笑)。




 ここたねさんは、同じくアクセサリー等を制作している「るりいろ」(じゅんこ/@ruri_chun)さんと一緒にアートイベントに出展・作品を販売しています。また、未定ではありますが通販も考えているとのことで、興味がある方はTwitterをフォローしておくといいでしょう。


 ちなみに、ここたねさんは「機材等々、おおむね簡単に手に入るものばかりなので、手先が多少器用で、そこそこの根気のある方でしたら作ることが可能かと思います」とも。ここまでの作品を生み出すのは容易ではなさそうですが、興味がある人は思い切って自分で作ってみるのも楽しそうです。

 ここたねさんは他にも制作過程を多数公開中。作品が出来上がっていく様子がうかがえて、こちらも興味深いです。

画像提供:ここたね(こころのたね/@cocolonetco)さん

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