富士急行が、自転車をそのまま持ち込める「富士急サイクルトレイン」の実証実験を2021年6月26日に開始しました。2021年7月16日(7月9日〜11日を除く)まで実施します。
富士急サイクルトレインは、対象区間・列車で輪行袋の使用なしに「列車へそのまま自転車と一緒に乗車できる」サービスです。
対象区間は富士急行線の全線(大月〜河口湖駅間)、対象列車は下り大月発9時13分〜14時17分、上り河口湖発8時57分〜14時20分の普通列車(特急やJR線直通列車は対象外)。持ち込み可能な車両には「自転車 持込みOK」のステッカーを掲出します。
大月駅(富士急行ホームのみ)、都留市駅、谷村町駅、都留文科大学前駅、三つ峠駅、下吉田駅、月江寺駅、富士山駅、河口湖駅の9駅で自転車持ち込みの乗り降りが可能になります。
利用は中学生以上の乗客で、1人1台まで。許容台数は1列車あたり最大6台。原動機付自転車や補助輪付き自転車などの特殊車両、また列車混雑時、事前に混雑が予想されるときなど、安全運行のため鉄道会社による可不可判断も設けますが、「ロードモデルなどのスタンドを備えない車両」も別途固定ベルトで手すりなどに固定することで解体なしでの持ち込みを認めます。
安全運行のため日本の鉄道は「自転車の持ち込み」におけるルールが厳格です。自転車とともに鉄道を利用するには「輪行」のルールに沿わなければなりません(参考:JR東日本の旅客営業規則 第308条)。
そのため鉄道移動を伴うサイクリストは、都度自転車を解体あるいは折りたんで、規則の範囲に収まる適切な方法で「輪行袋」へ入れて乗車します。サイクリスト専用列車のような一部列車(関連記事)や慣例・許容となっている地方鉄道などの例外はありますが、安全のためとはいえ「輪行のための作業」は大変で面倒なことがありました。
それが、ルール化とともにそのまま利用できるようになる──。サイクリストにとって、また地域観光活性化策としても喜ばしいことといえそうです。
同社は富士急サイクルトレインの運行を通して、鉄道利用による新たな移動手段の選択肢を提供することで、富士五湖観光のさらなる活性化、また沿線地域住民の買い物やお出かけなど、日常生活の利便性向上を目指すとしています。
(大泉勝彦)
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