リモートワークで会社に残したスマホが「膨張しすぎてパカッと割れた」 原因は“つなぎっぱなし”? 専門家に聞いてみた(1/2 ページ)
口を開けた貝のようなビジュアルに。
リモートワークで1年以上PCに接続しっぱなしのスマホの電池が、フタを押し上げるほど膨張して酒蒸しハマグリのような状態に。Twitterで話題の人ごとではない体験談、専門家に原因と対策を聞いてみました。
投稿者のおかず(@pafuhana1213)さんが久しぶりに出社すると、PCに接続していたスマホがまるで口を開けたハマグリのような状態に。
おかずさんはゲーム会社勤務であり、膨張したスマホはモバイル端末での動作確認に用いていたもの。リモートワークへの移行に伴い、複数人が遠隔で操作できる環境を急きょ構築しなければなりませんでした。
そのためにスマホと社用PCをUSBケーブルで接続し、1年以上会社に置いていたそうです。なお、スマホは「電源はついているが画面は消灯している状態」で、中にはずっとスリープ状態だった端末もあるとのこと。
おかずさんは「時間の無い中ではありましたが、それでも今回の問題の危険性について十分に調べておく必要があったと思います。昔からモバイル端末を使って開発している会社様には常識だと思うのですが、コロナにより急ぎリモート対策をした方は知らないかもしれないという話になりツイートいたしました」とコメントしています。
本人が「端末側の問題ではなく、僕の運用方法が非常識・想定外」と語るように、バッテリーが膨張したスマホは特殊な状態にあったといえるでしょう。ですが気を付けるに越したことはありません。KDDIの専門家にバッテリーが膨らんだ原因と対処法を聞きました。
KDDIの回答
――なぜこうなったと思われますか?
お使いのPCのご利用用法や仕様、またスマートフォンの仕様によっても動作が異なりますので、仮説となりますが、以下の2点が想定されます。
- 熱による電池の劣化:満充電に近い状態で電池に熱が加わり続けると劣化につながります。データ通信および充電によりスマートフォンは発熱します。他にも周辺温度や近くのPCの発熱などの要因が考えられます。
- 充電状態の継続:スマートフォンでPCをリモート接続していたとのことですので、スマートフォンは常にデータ通信を行い、電池を消費している状態であったと考えられます。消費した電気はPCからすぐに供給されますが、この「放電」と「充電」の繰り返しにより、電池のサイクル劣化が進んでしまったと想定されます。
――リモートでモバイル端末を使いたい場合の注意点は?
お使いのPCの・スマートフォンの仕様やご利用法によって動作が異なりますが、上述の通り電池を劣化させてしまう場合がございますので、リモート接続に固定通信回線のご利用ができない場合には、コンセント利用のホームルーターなどのご利用をお勧めします。
今にも爆発しそうなビジュアルに恐ろしくなってしまいますが、KDDIによれば「リチウムイオン電池の特性であり、安全上の問題は無い」とのこと。ただし、使いやすいかどうかは別問題。バッテリーを交換した場合は速やかに回収してもらうとよいでしょう。バッテリー内蔵の機種については、メーカー修理を依頼せざるを得ない場合もあるようです。
ツイートには似たような体験をした人からの声も寄せられています。スマホゲーム専用端末など、特定の状況で使うスマホは充電したままにすることもありますが、長期間の連続充電は避けたいところです。
画像提供:おかず(@pafuhana1213)さん
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