お祭りから帰ろうとした女の子が見知らぬ子に声をかけられ…… 「終わらない縁日」に迷い込む漫画にゾワッ(1/3 ページ)
「ハレ」が日常になれば、それは「ケ」と変わらない。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもの。遊びに出かけた先で「この時間がずっと続けばいいのに」と、誰もが考えたことがあるはず。ですが「ハレ」の日は、普段どおりの「ケ」とは異なる非日常であるからこそ、特別なひとときとして体感できるのです。
今回ご紹介する作品は、夏祭りという「ハレの日」を楽しんだ女の子が、実に奇妙な世界へと迷い込んでしまうお話。作者はなちこ(@XIII_kll)さんです。
夏祭りを満喫して帰路についた女の子。どうやら縁日の出店を堪能したようで、空に浮かんだ月と戦利品の金魚を見つめています。そして「楽しい時間は一瞬で終わっちゃう、お祭りはまた来年。この時間がずっと続けばいいのに」としみじみ思うのでした。
そんな彼女に声を掛けたのは、キツネのお面をかぶった見知らぬ子どもでした。その子は帰ろうとしていた女の子の手を引き、どこかへ連れて行くのですが……。
ずいぶん歩いた後にたどり着いたのは、明るい神社の境内が見える場所でした。鳥居をくぐった向こう側には屋台がずらりと並び、人々はお祭りを楽しんでいます。
女の子は「すごい、縁日だ!」と無邪気に喜び、周りの誰もがかぶっているお面を買おうとするのですが……前のお祭りでおこづかいを使い切っていました。ですがどういうわけかお面屋の店主は、女の子が持っていたおはじきで支払うよう求めてきたのです。
お面をかぶってご満悦の女の子は、縁日の屋台をいくつも周り続け……どれだけの時間が経ったのでしょうか。お祭りは終わる気配がなく、手持ちのおはじきはまったく減らず、屋台の行列はずっと先まで続いている……。女の子は「まだまだ遊ぶぞ」と気合いを入れ、楽しそうに駆け出すのですが……。
どう考えても異様なお祭りへ足を踏み入れてしまった女の子。お金の代わりに使われる減らないおはじき、出会った子ども、もうひとつのお祭りにいた人々……それらがまとう不穏な雰囲気。女の子は一体どうなってしまうのか。不思議な物語のてん末は、物語を最後まで読み進めてお確かめください。
作品提供:なちこ(@XIII_kll)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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