「学校は机に座って勉強するだけの場所ではない」とよく言われますが、それゆえにさまざまな事故やトラブルも起こりうるもの。ねとらぼ読者からそんな体験談を伺う本企画、今回は「クラスメイトから渡された“呪いのプリクラ”」のお話を伺いました。
誰にも守ってもらえない、学校内でのストーカー行為
私は現在アラフォーでもう20年以上前の話になりますが、逃げ場の無い学校という場所だからこそ起こった出来事があります。
私が通っていた中学校は田舎の荒れた学校で、刑事沙汰になるような行為は聞きませんでしたがビジュアル面での不良が多く、授業中に騒がしい、タトゥーやピアスといった不良ファッション、OBがマフラーを改造したバイクを乗り回す……などの問題が起こっていました。私自身は不良ではなかったものの、かといって真面目でもなく、どちらかと言うとお調子者キャラとして楽しく過ごしていました。
1年生だったある日、クラスメイトのギャルから先輩(3年生男子)のプリクラを渡されました。面識もなく特にタイプでもなかったので、困って「いらない」と受け取らなかったところ、運が悪いことにそのプリクラに映っていた先輩は不良で、因縁をつけられてしまいました。
それ以降、怒鳴られ、追いかけ回される日々が始まりました。休み時間になるとすぐに女子トイレに駆け込んでいたのですが、そのあいだも「おい、出てこいよ!」などと大声で怒鳴られ、ひどいときには私の家の前で半グレのOB達と一緒にバイクで待ち伏せしていたので、裏道の墓地を通って様子を伺いながら下校する……そんな毎日でした。
―― 頼れる人はいなかったのでしょうか?
教室移動で3年生の教室前を通らざるを得ないとき、友人数人で壁を作ってくれたこともありましたが、いつまでもそんな風に守ってもらうわけにはいきません。また、家族には心配かけたくありませんでしたし、両親に話したことでかえって事が大きくなってしまった経験もあって、当時は逃げ続けることが最善で、一番安全と思っていました。
とはいえ、どう対応するのが正解だったのかは、今でも分かりません。「好かれてるんじゃないの?」と友人にからかわれたこともありましたが、知り合う前から怒鳴り散らし、高圧的な態度で追いかけ回してくる相手にどう接すれば……。
ただただ恐怖でした。
不良の先輩は「恋愛感情からプリクラを渡してもらったが受け入れてもらえず、取り次いだ後輩(プリクラを渡した私の同級生)の前で恥をかかされてしまったので、目をつけた」ということだったのかもしれませんが、私からするとあのプリクラは貞子のビデオのようなもの、いわば“呪いのプリクラ”でした。渡されてしまった時点で「不良の好きでもない先輩と付き合う」か、「その人にキレられ追いかけ回される」しかなく、どちらにしてもバットエンドのルートしか歩めないという。
ですが、この件で一番傷ついたのは、教師に見て見ぬふりをされたこと。前述のような状態が数カ月にわたって続き、担任の先生に相談したところ、「あいつ、お前のこと知らないって言ってるぞ」と言われ、見放されてしまいました。
―― となると、この先輩のトラブルはいつまで続いたのでしょうか?
プリクラを渡されてから約半年間、先輩の卒業まで続きました。
ちなみに卒業式後、彼らは派手に暴れて、体育館は窓ガラスを割られ、石を投げられてボコボコにされたのですが、教師は暴力に屈して見て見ぬふりを決め込んで……。
金八先生やGTO、ごくせんに教わりたい中学時代でした(笑)。
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