子どもを連れて自由にお出かけできず、人とのつながりが薄れて孤独を感じがちなコロナ禍育児。そんな中、ある親子がバスで出会った紳士との「優しいコミュニケーション」を描いた漫画がTwitterに投稿され、「あたたかい気持ちになった」「すごくわかります」と共感の声が寄せられています。
作者は、コロナ禍での妊娠、出産、育児に奮闘するシカ(@I71sFZZm3rceoIq)さん。1歳の男の子コスギくんのお母さんです。
それは、コスギくんが生後3〜4カ月頃のこと。かわいい盛りのコスギくんを連れてお出かけを楽しみたいのに、ひっそりと生活をしなければならないことをシカさんは日頃から残念に思っていました。ママ向けのイベントや育児の講習は続々と中止になり、同じ時期に出産した人たちと出会う機会もありません。親族や友人にコスギくんを会わせたい気持ちがありながらも、それがかなわないという日常に慣れつつあった、ある日の出来事です。
この日、シカさんはコスギくんと一緒にバスでお出かけをしていました。突然、抱っこひもの中で身体を大きく動かし、シカさんの肩越しの“何か”を見て楽しそうに笑い始めたコスギくん。不思議に思ったシカさんがそっと振り返ってみると……後ろの席に座っていた紳士が、白目をむく変顔をしてコスギくんを笑わせていたのです!
手をひらいて「ばぁ!」と目を見開いた紳士は、シカさんの視線に気付くとハッと固まり、恥ずかしそうに笑いながらバスを降りていきました。マスクをしていてもわかる紳士の優しい表情に、シカさんからも思わず笑顔がこぼれたのでした。
シカさんはこの日以来、コスギくんが何かを見て楽しそうにしている時には、近くで誰かが遊んでくれているのだと思い、むやみに振り向かないようになったのだとか。去り際にちらりと見て、あいさつをして去っているそうです。
この漫画には1万5千件以上の「いいね」がつくなど多くの注目を集め、「小さい子見かける度に手を振ったり笑いかけたりしてるのが間違ってなかったと思えました」「この紳士の気持ちホントにわかるし赤ちゃんと目が合うと思わずにっこりしちゃう」といった共感のコメントが次々に寄せられています。
ただでさえ孤独に陥りがちなママの不安や不便がさらに膨らんでいるコロナ禍での育児。そんな中でも、言葉を交わすことなく人の優しさやあたたかさに触れられることがよくわかるエピソードでした。「優しいコミュニケーション」の輪が広がり、ママの辛さが少しでも和らぐと良いですね。
シカさんはこの他にも、コスギくんの育児エピソードを漫画に描いてTwitterやInstagram、ブログ「シカブロ」に投稿しています。
画像提供:シカ(@I71sFZZm3rceoIq)さん
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