スーパーなどで「ポポーポポポポ♪」と、妙に耳に残るメロディーを奏で続ける販促用端末「呼び込み君」。これを小型化した音声機能付きミニトイ「呼び込み君ミニ」が、12月の発売前から大きな反響を呼んでいます(関連記事)。
呼び込み君は、大手スーパーの「耐久性が心もとないカセットテープに代わる、販促メッセージの再生機器が欲しい」といった要望に応え、群馬電機が2000年にリリースした製品。プリセットのBGMと吹き込んだ音声を流せる録音再生機で、これまで4万店舗で使用されるヒットとなりました。また、あのクセになるメロディーは、着メロとして配信されたり荘厳にアレンジされたりと、近年ネットでも親しまれています。
「呼び込み君ミニ」を商品化したのは、模型メーカーの青島文化教材社(アオシマ)。録音機能は廃しながら、本物と同じポポーポポポポを再生できる、全高約53ミリのおもちゃに仕上げました。
本物は業務用機器ゆえ3万円ほどかかる品ですが、この「ミニ」は792円。「個人的に欲しいが価格がネックだった」という声も多く、「これで心おきなくポポーポポポポできる」「鳴らしながら焼き芋食べたらテンション上がりそう」などと話題を呼びました。
編集部はアオシマに、商品化の経緯など詳細を聞きました。
―― 商品コンセプトを教えてください
アオシマ 「スーパーに行くとどことなく聞こえてくる『ポポポポポ〜♪』のなじみの音楽が、さらに日常の中で身近にあったら面白いのではないか」が、発想の原点です。「だれもが知るあのメロディーをいつでも聞きたい」「あのかわいらしい働き者を手元に置きたい」といった夢をかなえる商品として、ミニサイズの呼び込み君を企画しました。実物の製造元であります群馬電機様へ企画提案したところ、快諾いただきました。
―― 一番こだわった部分は?
アオシマ 実物を元に、ミニサイズで忠実に再現しつつ、気軽に楽しめるように、本体の黒いボタンを押すと約20秒音楽が流れるようにしました。また、群馬電気様よりマスター音源を提供いただき、遠くにいてもまるで本物から鳴っているような感覚になれる音質を目指し、スピーカーにも力を入れています。
―― 一番苦労した部分は?
アオシマ 苦労したのも「音質の再現」でした。実物ではスーパー等で雑多に音が混じる環境の中、ダイレクトに耳に入ってくるあの音源を、手のひらサイズで再現しても遜色ない音質に持っていけるかどうかが重要となりました。それでも、マスター音源の使用やスピーカーの選定によって、満足いくものが実現できました。
―― どのような用途を想定していますか
アオシマ 特に決めてはおりませんが、まずは手に取ってボタンを押した瞬間に、自分がスーパーにいるような錯覚を味わってみてほしいなと。自分の場合は、生鮮食品コーナーにあるイメージが強いので体感温度が下がる感じがします(笑)。
また、鳴り物OKのイベントであれば、スペースや屋台でお客様の集客等に活用するのもありかもしれません。きっと誰かしら振り向くはずです(笑)。
―― ターゲットとなる客層を教えてください
アオシマ 実際に呼び込み君が稼働しているのはスーパーや量販店の一角で、あのメロディーは老若男女が耳にしていますから、全年齢層が対象となります。特には、面白ネタガジェットを好むかたや、お子様と一緒にスーパーに訪れる主婦層へも訴求するところはあります。
―― Twitterでの反響への感想はいかがでしょう
アオシマ 企画当初から「ウケるアイテム」としてある一定の話題性を想定しておりましたが、このたびのバズり具合については予想を大幅に超える「想定外」となりました。とにかくあのメロディーの認知度が非常に高いのはもとより、潜在的に「物として欲しい」層が想定以上にいた感じです。
この手の製品はネタ的バズりはあるものの、実際の購入には至らないという状況が多々ありますが、受注開始より一夜にして相当数の予約をいただきました。ネタだけでは終わらずに、「欲しい」「さっそく予約した」というコメントを見て大変うれしく思いました。
あわせて、群馬電気様が大切に扱ってきた呼び込み君に対する、思いや愛情をよりいっそう感じる良い機会となりました。
なお呼び込み君ミニは現在通販で販売されていますが、通販のみというわけではないとのこと。受注予約の関係で通販が先行しているものの、大手量販店様や路面店、スーパーやホームセンターなど幅広くセールスしているといいます。
(C)群馬電機株式会社
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