終戦で役目を終え、人知れず朽ち果てていたZガンダムが少年と出会う――。新たな物語の始まりを感じさせるジオラマが好評を博しています。
Twitterユーザーのくまごろ(@kumagoro_mk2)さんが、『月刊ホビージャパン』のガンプラコンテスト「全日本オラザク選手権」に向けて製作したジオラマ。時代設定は宇宙世紀134年(「機動戦士Zガンダム」の時代から46〜47年後)、舞台はサイド7の1バンチコロニー。上半身の一部のみが残るZガンダムや、うずたかく積まれた鉄くず、散乱するトタン板やドラム缶など、全てに徹底された汚し塗装やダメージ表現が長い時の流れを感じさせます。
約半世紀前にニュータイプの乗機として活躍したモビルスーツに、少年は何を感じるのかと想像がふくらむこのジオラマ。作者のくまごろさんに、製作の意図など詳細を聞きました。
―― 作品のコンセプトを教えてください
くまごろ 大まかな作品テーマ自体はツイートの通りで、「戦後、スクラップヤードに放棄されたZガンダムと、少年との出会い」といった感じです。
―― タイトルの意味は文字通り「刻の涙」でしょうか
くまごろ その通りです。「刻の涙」の英訳で、テレビアニメ版「機動戦士Zガンダム」の次回予告「君は、刻の涙を見る……」からの引用です。「かつての華々しさを失い、ひっそりと朽ちていく時間の経過」「過去の戦いの悲劇的な記憶」など、時間にまつわる哀しみやはかなさといったテーマも扱っているので、このタイトルに決めました。
「過去の存在として朽ちていくZガンダム」と、「未来ある少年」という対比も意識しています。「少年の冒険心が出会いに繋がり、過去の記憶を呼び起こす」という表現の仕方もありそうです。
Zガンダムはもちろんですが、周辺のスクラップにも遊び心が詰まっています。例えば画像左下のハロは100均のビーズを使って制作したのだとか。用いた手法などの製作過程も、Twitterで公開しています。
画像提供:くまごろ(@kumagoro_mk2)さん
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