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マーベル作品だけど実は親しみやすい「学園もの」 “男らしさ”を超えるヒーロー映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」を漫画でレビュー(2/3 ページ)

自称「マーベルにあまり詳しくない」ライターが漫画でレビューします!

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MCUに詳しくなくても楽しめるストーリー

スパイダーマン スパイディ 映画 感想 マーベル レビュー
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 今までスパイダーマンしかMCU作品を見てこなかった作者ですが、3部作の最終作品は100%堪能したい……! ということで、MCUの過去作をできる限り観て映画館に足を運びました。

 その上で分かった結果ですが……『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、MCUの過去作を観なくても楽しめる作品となっていました!

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 本作はスパイダーマンの正体がピーター・パーカーだと世界中に明らかになることから始まります。正体がバレたことにより、平穏だった彼の高校生活はめちゃくちゃに。さらに自分だけでなく、恋人のMJと親友のネッドも、スパイダーマンの友人ということで大学から入学を断られてしまいます。

 困り果てた彼は、魔術師ドクター・ストレンジに、自分がスパイダーマンだということをみんなの記憶から消すように頼みに行きます。しかし魔術は失敗し、スパイダーマンはMJとネッドに助けを求めるのですが……。

 ここで注目すべきは、スパイダーマンが自らの失敗で困難に陥った状況で、周囲に助けを求めていることです。しかもヒロインであるMJにも。ヒーローであるスパイダーマンがヒロインを助けるという構図ではなく、ヒーローであるスパイダーマンがMJに「助けて」と素直に頼む描写は新しく感じました。

ピーターは「男らしさ」から男性を解放するヒーロー

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 また、本作では悪役をただ倒して終わるのではなく、ピーターがある試みを考案します。こちらも、伝統的価値観に縛られないフラットな主人公ならではの考えだと感じました。

 理数系の高校に通うピーターは、「男らしい」と言われる体育会系ではなく、理数オタクのいわゆる「ギーク」。スパーダーマンとして「与えられた強い力」で男らしく相手を倒すのではなく、「魔術よりも強いのは数学」と、勉強好きな自分に誇りを持ち、自らが学んできた数学によって人を救おうとするところも画期的です。

 「男らしさ」については、本作でドクター・ストレンジ役を演じるベネディクト・カンバーバッチが近年話題になっている「有害な男らしさ」について「男性たちの振る舞いを正していく必要がある」と語っています。この「有害な男らしさ」という言葉があるように、社会はときに男性に対し「感情的にならない」「たくましい」「力がある」といった伝統的な男らしさを強要し、その規範にそぐわない男性を排斥します。この「有害な男らしさ」は、男性自身を苦しめるだけでなく、女性蔑視や性暴力にも繋がっています。

 そんな中、ヒロインであるMJを頼りにし、悪役にも寄り添おうとするピーターには「有害な男らしさ」から解放するパワーを感じられました。

予習すべきはMCUじゃなかった……?

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 さて、MCUを予習して臨んだ筆者ですが、予習すべきは実は他の作品でした。が、予習すべき作品を書くとそれ自体がネタバレになってしまうというジレンマが……。予習しなくても十分楽しめますが、隣の席で号泣しているスパイダーマンファンであろうお姉さんを見て、少し羨ましく思ったのでした。

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