煉獄さんや五輪マスコットも再現……! 楽しく食べて作る「アイスアート」がすごいと話題、作者に話を聞いた(2/3 ページ)
削っては食べ、溶けそうになったら冷凍し直し……と、丹念に作られた力作。
アイスアートっ子さんに聞く「アイスアートの魅力」
―― アイスアートを始めたのはいつごろでしょう。
アイスアートっ子 7年ほど前の大雪が降った日に、思い付きでベランダにリアルなライオンの雪像を作ったのがきっかけです。もともと絵を描くことや造形は子どものころから好きだったのですが、そこで造形の楽しさにあらためて気付きました。
当時始めたばかりのFacebookに投稿したところ、友達からの反響も大きく、もっといろいろな物を作りたいと思うようになりました。そこでSNSでさまざまなアートを検索していくうちにアイスアートの存在を知り、試しに作ってみたのが始まりです。
作るからには色や形も細かく再現したく、自己流で別のアイスと組み合わせたり、チーズやジャムも加えたり、色やパーツの細かい表現にこだわるうちに、さらなる楽しさと達成感を味わいました。いろいろな人に驚いてもらいたい思いも増して今に至り、これまで50個ぐらいのアイスアートを作っています。
―― はた目には製作中に室温で溶けてしまわないか心配になるのですが、温度調整など気を付けていることはありますか。また、アイスアートを作る際に大変なことは何ですか。
アイスアートっ子 アイスアートは基本的に、大枠をスプーンで削って細かい部分は竹串で彫り、削ったアイスは食べながら進めています。室温にはもちろん気を付けて、迷わず急いで彫り進めるようにしていますが、それでも溶けてくるので一度に最後まで完成させることは困難です。溶けてくると細かい表現もできなくなってしまうので、少し彫って柔らかくなってきたら一度冷凍庫に戻し、固まってきたらまた続きを彫って……と、複数回に分けて細かい調整をしながら作っています。
――1作品あたりどれぐらい時間をかけているのでしょうか。
アイスアートっ子 題材にもよりますが、作業時間だけだと平均20分くらいで、凍らせる時間も含めると2時間ぐらいです。溶けるまでの時間と勝負しながら、根気強く細かい作業をするのは大変ではありますが、手間と時間がかかるアートだからこそ、クオリティが達成感と愛着につながると考えています。
―― よくスーパーカップなどを使っている印象がありますが、アイスアートを作る際に使う食材について、こだわりなどはありますか。
アイスアートっ子 忠実に再現することを心掛けているので、作りたいキャラクターや題材に近い色のアイスを選ぶようにしています。その中でもスーパーカップやハーゲンダッツは色のバリエーションが多く、固さも適しているのでよく使わせていただいています。
作るキャラクターや題材選びも、カップアイスの丸い枠に収まりやすいシルエットで、キャラクターの色に近い色のアイスがあるかという点で選んでいます。また、新商品のフレーバーや季節限定フレーバーが出ると、そのアイスの色から作れるキャラクターを探すこともあります。
キャラクターの目や口なども細かく再現するために、他の色のアイスやジャムを加えるのもこだわりの1つで、最終的においしく食べられるよう、アイスとの相性も考えています。
―― ご自身が思うアイスアートの魅力とは
アイスアートっ子 アイスは特別なデザートでありながらも溶けてくるので「急いで食べなきゃ」となる、“はかないデザート”という印象がありました。アイスアートをすることで、そんな特別ではかないデザートのアイスに命が宿り、味だけではなく視覚的にも楽しめますし、普通に食べるのとは違った形でもアイスを堪能できるところが魅力だと思っています。
また、アイスの質感や特性上、自由自在に細かい表現ができる点も魅力です。スプーンと竹串があれば作れるので、刃物や火を使わずに気軽に安全にできるアートでもあります。作っている間は無心で没頭できるので、ストレス発散にもなっています。
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