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一度泊まれば一生自慢できるぞ! 旧任天堂本社に泊まれるホテル「丸福樓」がついに開業、一足早く内部をレポート(1/3 ページ)

モダンで豪華な空間を堪能できます。

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この建物、旧任天堂本社で現在はホテルなんです

 京都にある、任天堂の旧本社社屋。建造から90年近くが経つこの建物が、4月1日にホテル「丸福樓」としてオープンします。アール・デコ全盛期のデザインがギッチギチに詰まったこのレトロなホテルの、マスコミ向け内覧会に行ってきました。

 1889年、山内房次郎はかるたや花札の製造販売を手がける会社として「山内房次郎商店」を創業。1947年には屋号を変更し、現在の任天堂の前身である「丸福株式会社」を設立しました。さらに1950年には「任天堂かるた株式会社」に商号を変更。丸福樓が立つのは、この山内家が商売を始めた京都の鍵屋町です。ちょうど高瀬川と鴨川の間あたりの立地で、最寄駅は京阪電車の七条駅ですが、京都駅からも歩いてアクセスできる距離です。

正面玄関は左右の旗が目印です
入口左右には「山内任天堂」の銘板が
左が山内家の住居だった「ハート」棟、右が倉庫だった「クラブ」棟
中央のグレーの建物が新築の「ダイヤ」棟です

 この丸福樓を開業・運営するのは東京を拠点とするホテルマネジメント会社のPlan・Do・See。なので、現在の任天堂が運営しているホテルではありません。しかし丸福樓の建物は1930年代から1950年代にかけて実際に任天堂の本社社屋や倉庫だったもので、また当時3棟あった建物のうち中央の1棟は山内家の住居として長く使われていました。ホテルとして開業するにあたり、1棟目と2棟目の間に安藤忠雄設計の新棟を建設。任天堂の看板商品だったトランプにちなみ、入り口側から順に「スペード」「ダイヤ」「ハート」「クラブ」の4つの建物名がつけられています。

山内家のライブラリーが入った「スペード」棟

エントランスを入ると、かつては受付だったらしいスペースが
時計の下にくっついている、タイムカードの刻印機
エントランス付近。とにかくタイルの色味や配置がイケてる
壁の窓にもいちいち装飾が。タイルの角が四角く欠けてるのも芸が細かい〜
柱にもこういう感じで装飾が。マジモンのアール・デコだ……!
天井も手抜きがありません
照明もいちいち凝っている
おそらく地下室の採光用であろう、ガラス張りの床面
窓にはまっているフェンスにも丸福マークが

 メインエントランスがある「スペード」棟は、任天堂の本社事務所があった建物。事務所らしく、入ってすぐに受付だったであろうスペース(現在はレセプションルームとして利用)があります。とにかく入口付近からモダンな雰囲気が濃厚。壁や柱に貼られたタイルや照明器具は当時のままとなっており、また社員の出退勤を管理していた時計もそのまま置かれています。

「へ〜、このホテルの模型か〜」と近づいたら……
レゴやんけ

 このエントランスの脇がラウンジになっているんですが、そこにはなにやら精巧な丸福樓の模型が……。と思って近づいて見たら、なんとレゴでできとる。よくまあこんな色味と形がドンピシャのパーツがあるもんだと感心していたんですが、これは日本人唯一のレゴ認定プロビルダーである三井淳平さんの作品なんだそうです。そりゃうまいわけですわ……。

こちらがライブラリーの「dNa」
なんか頭が良さそうな本がたくさんあるぞ!
山内溥氏のエピソードに由来する片目の達磨
こちらは山内家に届いた手紙
小坂学氏の制作したケント紙製のファミコン

 この「スペード」棟の2階には、山内家の資産を背景に活動するYamauchi-No.10 Family Officeが企画したライブラリーdNaが設置されています。このライブラリーには任天堂の理念が表現されており、山内家宛ての手紙やRhizomatiks制作の花札を題材にした映像作品、山内溥氏が飾っていた片目の達磨に着想を得た達磨、美術作家の小坂学氏が制作したケント紙製のファミリーコンピュータ(関連記事)などを陳列。

前に立った人によって絵柄が変わるインタラクティブアート。左は山内家の山内万丈氏
ライブラリーの横の部屋はバーになってます

 さらにライブラリーの出入り口には作品内に潜り込めるインタラクティブアートや、隣室にはバーも用意。宿泊者による利用のほか、将来的にはこのライブラリーを利用したイベントなども開催する予定とのこと。天井が鏡になっている部屋なので、夜間に入ると展示物や棚の光が反射してすごいことになるようです。

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