水流に立ち向かうペンギンの動画がサンシャイン水族館(東京都豊島区)の公式Twitterに投稿され、再生数5万1000回、4000件のいいねを獲得しています。リプライ欄には、「絶対、筋トレしてると思う」「若さってヤツでしょうか」と、流れに逆らう理由を考察するコメントが寄せられています。
ペンギンの顔が水槽の壁にある穴の中にすっぽり入り、水流に引き込まれているのか!? とおもいきや、実はこの穴はろ過槽から戻ってきた水が出てくるところ。ペンギンが水の流れに逆らって泳いでいるところなのです。
穴の中へ頭を突っ込み、羽をバタバタさせて押し出されるのを防ぐペンギン。まるで穴の先に餌でもあるかのように水流に逆らい続けます。ペンギンの羽が動く様子がかわいくて、ずっと見ていられますね。
必死に流れに逆らうペンギンには、「筋トレしてると思う」「本能ですね」といったコメントがコメントが寄せられました。人間の子どもが流れるプールで逆方向に泳ぐ感覚なんでしょうか? ペンギンの不思議な行動に、思わず理由を想像したくなりますね。
ツイートに添えられた文によると、この行動をする理由は分からないとのこと。ペンギンたちの不思議な行動について、編集部は「サンシャイン水族館」の飼育スタッフに話を聞きました。
――動画のペンギンについて教えて下さい
飼育スタッフ:名前は「青銀(アオギン)」、2019年4月1日生まれ3歳の女の子です。水中で泳ぐことが大好きで、プールに投げ込まれた魚は、ほとんど青銀が食べてしまいます。まだ若い個体なので、とても好奇心が旺盛で、いろんな遊びを考え出すのではないかなと思います。青銀のほかに、「赤銀(アカギン)」「テント」も同じような行動をします。
――水流に逆らう行動はよく見られるのでしょうか
飼育スタッフ:青銀、赤銀、テントにはこの流れに逆らうブームがあるようで、ツイートとは別の水流でテントが流れに逆らっていることもありました。また、実施する時間帯は個体によっては決まっている感じがします。
――どのくらいの時間やっているんでしょうか
飼育スタッフ:息が長く続かないので、長くても30秒程度です。息継ぎをして、また同じところに戻ってくるということを繰り返しています。
――ペンギンの行動や投稿が話題になったことへの感想を聞かせてください
飼育スタッフ:特に若いペンギンが新しい行動を探し出すことがあるのですが、それを見るのは私たちもうれしくなります。その新鮮な行動を多くの方に知ってもらうのは、ペンギンへの興味を持ってもらえる一歩だったりするので、それもうれしく思っています。また、お客様から「ペンギンの泳ぎ方や翼の動かし方がとても分かりやすい!」という感想をいただき、こちらが新たに気付くこともありました。
――最後に、サンシャイン水族館の見どころを教えて下さい
飼育スタッフ:今回話題になったペンギンたちが展示されている「天空のペンギン」水槽は、正面から頭上にかけて大きくオーバーハングしており、都会の空をまるで海の中のように自由に泳ぎ回るケープペンギンの姿を見ることができます。正面には池袋のビル群が連なり、上を向くとさんさんと太陽光が降り注ぐこの場所は、大きな見どころの1つです。さらに、この水槽をはじめとして草原のペンギン、カワウソ、アシカ、ペリカンのいる「マリンガーデン」は、植物を含めて四季折々の季節感を感じられるので、おすすめのスポットです。
(了)
水流に逆らう行動は、一部のペンギンたちの間でブームになっているようですね。ちなみにサンシャイン水族館のペンギンは、翼につけたリングの色が名前になっているんだとか(一部の個体除く)。また、ブームの立役者の1羽「テント」さんは現在「草原のペンギン」という、ケープペンギンが本来暮らしている環境(南アフリカ・ケープタウン)をイメージした空間に居るそうです。
ペンギン以外にも、最近話題になった大はしゃぎするカワウソたちなど、たくさんの生き物と出会えるサンシャイン水族館。公式Twitter(@Sunshine_Aqua)やYouTubeチャンネル「サンシャイン水族館公式チャンネル -Sunshine Aquarium-」では生き物たちの日々の写真や動画、イベント情報などが配信されています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.