キュケオーンも食べられる古代レストラン爆誕 古代メソポタミア、ギリシア、ローマの料理を再現(1/2 ページ)
ギルガメシュとエンキドゥが食べたパンやカエサルに捧げるアスパラガスの卵とじ料理など。
ダイニングバー銀座 日々輝(東京都中央区)で5月28日から9月30日の期間、古代オリエント&ヨーロッパ料理を再現しコースで提供する古代レストランをオープンする。
「音食紀行」によるプロデュース。イェール大学が保有する「バビロニア文書集」の中の前1730年頃の粘土板レシピやホメロスによるギリシア最古の長編叙事詩「イリアス」、そして古代ローマ時代に遺されたレシピ集「アピキウスの料理帖」をもとに料理を再現し、現代人風に若干のアレンジを加えた。
コースは予約制で、古代ギリシアからホメロス「イリアス」の「キュケオーン」、古代ローマからカエサルに捧げる「アスパラガスの卵とじ」、古代メソポタミアから「古代メソポタミアパン・クサープ」、そして「牛肉のオーブン焼き シュイールム」の4品(3300円)。
古代ギリシア:ホメロス「イリアス」のキュケオーン。キュケオーンは古代ギリシアの神話などに登場する食べ物と飲み物の中間に位置する料理。構成される食材は主に水、大麦、チーズもしくは香草を加え、混ぜ合わせて作られた。今回はホメロス「イリアス」版のキュケオーンで、ワインにすりおろしたチーズと大麦粉を加えてキュカオー(混ぜ合わせ)している
古代ローマ:カエサルに捧げるアスパラガスの卵とじ。ローマ帝国の基礎を作ったガイウス・ユリウス・カエサルは食用ではない香油が振りかけられたアスパラガスを平然と食したというエピソードから着想。ホストの面目をつぶさないようにした心遣いとされているが、そんなカエサルに古代ローマのレシピ集「アピキウスの料理帖」にある調理法で作られたアスパラガスの卵とじ料理を捧げる
古代メソポタミア:古代メソポタミアパン・クサープ。「ギルガメシュ叙事詩」第4の書板に登場するクサープを再現(クサープとはアッカド語で「パンを割いた」という意)。ギルガメシュとエンキドゥがフンババ討伐へと香柏の森に向かい、約200キロ進んで休憩している描写に出てくるパン
別オーダーで古代メソポタミアに製造されたビールの醸造を応用したビールカクテル「ミッフ風ビール・シカル」、帝政ローマ期のギリシア人植物学者で薬学者でもあるディオスコリデスが著した「薬物誌」の中で薬効のあるドリンクとして記述がある「ミンテ(古代ギリシア風ミントウォーター)」、古代ギリシアでよく飲まれていたぶどう酒と乳をぶどうジュースと牛乳に、そこにハチミツを加えたノンアルコールカクテル「メイリキオス(古代ギリシア風ハチミツぶどうミルク)」といった歴史ドリンクも用意されている。メイリキオスはゼウスの別称の一つで、「蜜のような」という意味。これ以外に現代のドリンク(赤ワイン、ウィスキーなど)も用意している。
コースの予約は毎週月曜日(18時から20時)か土曜日(15時から20時)。17時以降に電話のみで予約可能。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.