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“マックス”は死んでも“メタル”は死なず 「メタルマックス ワイルドウェスト」の開発中止と「メタルサーガ 〜叛逆ノ狼火〜」への期待(1/6 ページ)

30周年を迎えた直後に開発中止となった「メタルマックス」最新作をしのんで。

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 したたかに人々が暮らす崩壊後の世界で戦車を駆り、賞金首たちを倒していくRPG「メタルマックス」シリーズ。2022年6月9日、その最新作「メタルマックス ワイルドウェスト」の開発中止が発表されました。

メタルマックスは3度死ぬ 発表されていたロゴ+イメージビジュアル(メタルマックス30周年特設サイトより)

 同作は、当初「メタルマックス ゼノリボーン2(仮)」として開発が続けられていたものの、タイトルが変更に。2021年5月24日に放送された「メタルマックス30周年 生誕祭 生放送」で企画の練り直しを行い、開発進捗が40%ほどに達していた作品を新たに作り直していることが明らかとなりました。その後、PS4、Switch向けに2022年の発売を目指して開発が続けられていましたが、現在の開発状況を勘案してあえなく開発中止となりました。

 ファミコン時代から「メタルマックス」シリーズを追いかけてきた自分としては、この発表に驚き……はしませんでした。ある意味、納得しています。正直な感想を述べれば、近年の迷走に迷走を重ねてきた「メタルマックス」シリーズが、ついに終わるべきときを迎えたという感想です。開発中止には、角川ゲームスの一部事業承継といった近年の動きも理由にあるのかもしれませんが、このシリーズがどこかユーザーとズレ続けてきたまま走ってきた現状を顧みても、むしろここまで角川ゲームスが持たせたほうが奇跡と言っていいでしょう。

 ただし、開発中止になったのはあくまでも「メタルマックス」。じつは、メタルシリーズ自体はまだ死んでいません。多分、恐らく、きっと。なぜなら、サクセスの姉妹シリーズ「メタルサーガ」は、まだ生きているからです。このシリーズは過去にも死んだ状態からサーガが生まれ、そして本家マックスもよみがえりました。あのときよりも、かなり状況は悪いと言わざるを得ませんが、それでも過去の例を取るなら、まだまだ復活の目はありそうです。

 それくらい、紆余(うよ)曲折を経てきた「メタルマックス」シリーズ。今回は1ユーザーとして体験してきた「メタルマックス」シリーズ30年の歴史と、開発中止になった「ワイルドウェスト」。そして、発売予定の新作タイトル「メタルサーガ 〜叛逆ノ狼火〜」への思いについて書いていこうと思います。

ライター:するめ(以下)マン

プロフィール

ファミコン、スーパーファミコン時代からシリーズにハマり、開発中止となった「ワイルドアイズ」や「メタルマックス2改」の炎上。「メタルドッグス」まで、シリーズを追ったグラップラー。好きな作品は「メタルサーガ 砂塵の鎖」「メタルマックス2 リローデッド」「メタルマックス4 月光のディーヴァ」。賞金首のフクマルとホークもどこかで拾って欲しかった。



 

「ワイルドアイズ」の発売中止から「メタルサーガ」での復活まで苦難の連続

 「竜退治はもう飽きた!」というキャッチコピーでRPGファンのド肝を抜き、日本の各地方を思わせる崩壊した近未来の世界観と、戦車に乗って戦うコンセプト。ある程度、何をしてもいい自由度の高さから人気を博した戦車RPG。それがFC版「メタルマックス」でした。スーパーファミコン(SFC)で出た続編の「メタルマックス2」では主人公の復讐をテーマに物語性が強化されて、カルト的な人気タイトルに。初代をSFCでリメイクした「メタルマックス リターンズ」も名作で、このシリーズは8bitから16bitハードの時代を語るうえで欠かせないRPGです。自分もこの初代と「2」にハマったことがキッカケで、今でもシリーズの新作を追いかけています。

メタルマックスは3度死ぬ 初代「メタルマックス」。3DSのバーチャルコンソールでも購入できますが、残念ながら「ニンテンドーeショップ」のサービスが2023年3月下旬(残高追加は2022年8月まで)に終了することが決定してしまったので、買えるのは今のうちです(出典:Amazon.co.jp

 しかし、シリーズが順調に作品を出せていたのはSFC時代まで。このシリーズはSFC以降、なかなか続編が出ない苦難の歴史を持つタイトルでした。「走り続けて30年」というのも間違いではないのですが、ユーザーの立場から見るとコースアウトしたかと思いきや、ふたたび元のコースへ戻ってきたりするようなハラハラする展開が続き、なかなか真っすぐ走ってくれない冷や冷やするシリーズだったりも。商標の関係で「メタルマックス」を名乗れない時代など、その歴史には紆余曲折を経ていろいろあるのですが、今回はあくまでも1ユーザーとしてゲームを遊んできた感想ということで、細かいことは割愛します。

 

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