長野県佐久市と佐久医師会によるプロジェクトチーム「教えてドクター」が、30年間で大きく変化した子どもへのホームケアの方法をTwitterに投稿。イラストを交えたわかりやすい解説が多くの注目を集め、記事執筆時点で4000件以上のリツイートや1万7000件の「いいね」が寄せられて話題になっています。
今から30〜40年前、現在祖父母の世代が親だった時代に比べ、共働き世帯が増加。少子化や核家族化も進んでおり、子育てをする環境は大きく変化しています。
育児の方法は時代とともに変わっているため、親子同士で話していても戸惑うことが多いもの。現役の子育て世代が祖父母からのアドバイスを「それは間違い」と“一刀両断”して親子関係が緊張してしまったり、祖父母世代が良かれと思ってした助言に現役の親世代が傷ついてしまったりと、ささいなことで摩擦が生じかねません。
こうした世代間のすれ違いや対立をさけるため、「教えてドクター」は「祖父母に伝える 子どものホームケア 子育ての今」を作成しました。資料ではまず、祖父母世代、現役世代それぞれを取り巻く状況を解説。次に、起こりやすいとされている子どもの中毒や窒息、誤飲などの事故と予防方法の最新情報を、子育ての先輩である祖父母世代に向けて紹介しています。
そして、子どもの病気や発熱、食物アレルギーへの対処方法、抱っこやおむつ替えの仕方、かつては積極的にするべきとされていた日光浴など、育児方法や栄養に関する項目を一覧表にし、時代とともに変化した点や現代の方法の根拠についてわかりやすく説明しています。
医学や技術の進歩、事例の蓄積によって明らかになったことや、くつがえった常識があるということが一目でわかります。
例えば、熱熱時の入浴。昔は「避けた方がよい」という考え方が一般的でしたが、現在は「元気があるときは短時間ぬるめのお湯で入浴可」。離乳食についても、昔は「手作りであるべき。だしを取るところから気を付けなければならない」と考える親が多くいましたが、現在は「全て手作りである必要は全くない」「取るべきなのはダシより睡眠」と、月齢に合った市販のベビーフードの活用を勧めています。
「教えてドクター」は、この資料を祖父母世代と現役親世代とが「お互い『間違い』と糾弾するのではなく、共通言語でサポートしたい」と、世代間の橋渡しのために作成したといいます。プリントアウトし目に付くところに貼るなどして、親子間のコミュニケーションのきっかけに使うと良さそうです。
投稿へは「印刷して読んでもらうことにします」「即保存してコピーだわ」など、主に現役の子育て世代から喜びの声が寄せられました。また、「いろいろと上からガンガン言われて落ち込んだけど。義母世代のスタンダードだったのね」とすれ違いの原因に気付いた人も。
「教えてドクター」はこの他にもTwitterやFacebook、Webサイトで子どもの病気、ホームケアなどについて発信しています。また、書籍『マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』も販売中。子どものホームケアや病院での受信、予防接種などについて知りたい情報を検索できる「教えて!ドクター」無料アプリ(iPhone/Android)も配信しています。
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