駅の環境音を視覚化する装置「エキマトペ」。両耳が聞こえないイラストレーターが実際に体験してきたレポート漫画がTwitterに投稿され、「めちゃくちゃいいレポート」「マンガでとてもわかりやすいです」といった声が寄せられています。
漫画の作者は、イラストレーターのハマダコノミ(@KONOMI_HAMADA)さんです。6月15日から設置された上野駅の「エキマトペ」を現地で見た感想をレポートしています。
「エキマトペ」とは、駅のアナウンスや電車の音といった環境音を、文字や手話、オノマトペとして視覚的に表現する装置。各番線アナウンスを文字・手話動画化するほか、駅員の声・車両・ホームドア・スピーカーから鳴る音をリアルタイムで文字に変換し画面に表示します。
2021年に巣鴨駅で「エキマトペ」が公開されていたときから、この試みが気になっていたというハマダさん。今回は上野駅に設置されたものを見に行きました。
ちょうど電車が到着するタイミングで「エキマトペ」を発見したハマダさん。画面には到着の案内が表示され、列車がホームに入ってくると「キュー!!!」という文字が映し出されました。それを見て、ハマダさんは「ブレーキをかける音かな?」と想像します。
「エキマトペ」で得られたのは、どんな音がどういうタイミングで発せられているのかをリアルタイムで感じるという体験でした。ハマダさんは、「駅って本当に色んな音であふれているんだな……」と実感します。
また、音の種類に合わせてフォントが自動的に変換されるのも「エキマトペ」の大きな特徴です。ハマダさんは、アニメーションの効果を使い、音のスピード感やリズムなどを表現しているのが「最高」だと感じたのだとか。
ハマダさんは、エキマトペがホームドアについたり、空中にホログラムで表示されたりした未来の駅を想像します。「エキマトペ」のような試みから、音の情報が視覚的に表現され、聴覚障害の人や聴覚情報処理障害(APD)の人が過ごしやすい仕組みが作られるかもしれませんね。
この漫画には、「これめっちゃおもしろいなー、視覚以外からの情報もめちゃめちゃ多いもんね」「息子(小6)が見に行きたいと、音が見えるってとてもいいなあって思う」「ニュース見て気になってたから、今度実際見に行こ」といった声が集まっていました。
今回の実証実験では、6月15日から12月14日までの期間で、JR上野駅の1・2番線ホームに「エキマトペ」が設置される予定です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.