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ラーメン二郎の写真から“レンゲだけ”消す技術が意味不明だけどすごい なぜ消すのか開発者に聞いた(1/2 ページ)

消した跡には麺やスープがしっかり補完。どうなってるの……。

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 ラーメン二郎のラーメンの写真から、「自動的にレンゲだけを消す」技術が魔法のようだと話題です。レンゲなんか最初からなかったみたいになってる……!

ラーメン二郎 レンゲを消せる仕組みも消す理由もよく分からないけど、とにかくすごい……!

 公開されたデモ映像では、レンゲにかけられたボカシがじわじわ減衰。レンゲが消えるとともに、もともとは見えていなかった麺や具材が現れる様子が映し出されています。つまり、レンゲを消した跡へ、新たにラーメンを違和感なく描いている……!

ラーメン二郎ラーメン二郎ラーメン二郎 レンゲにかかったマスクが薄くなるに連れて、向こう側から補完された麺や具材が浮かび上がる……ふしぎ!

 開発者のKenji Doi(@knjcode)さんは、機械学習の研究に取り組むエンジニア。過去にもラーメン二郎を題材に研究し、「リプライで寄せられたラーメンの画像が『二郎の何店か』言い当てるbot(@jirou_deep)」を実現しています。

 今回も大量の二郎画像をシステム学習させることで、「レンゲを取り去った二郎」の自動生成に成功。その光景は、「下の具はどこから出てきたんだ……」「これもう新手のSCPだろ」「高度に発達した科学は本物のラーメンと区別がつかない」などと、驚きをもって迎えられました。

 すごいにはすごいけれど、モチーフがどうにもシュールで困惑させられるこの技術。そもそもなぜレンゲを消したのかなど、編集部は詳しい話を聞きました。

―― なぜレンゲを消そうと思ったのでしょうか

Doiさん ラーメン二郎の三田本店にはレンゲがなく、それにならっているのかレンゲを置かない店舗が多くあります。他のラーメンチェーンと比較して、レンゲの有無というテーマにこだわりがある方も多いと思い、試しに消してみるならレンゲがテーマとして面白いかと考えました。

 ほかには、箸のような復元面積が狭いものより、レンゲの方が消した際の面積が大きく、インパクトがあるといった面もあります。

―― このモデルではラーメン二郎の写真が何枚程度使われているのでしょうか

Doiさん モデルの学習には独自に収集したラーメン二郎画像約10万枚のうち、9万枚を使ってモデルを学習しています。残りの1万枚は今後のモデルの評価や解析などに利用できるように残してあります。

―― 以前「@jirou_deep」のノウハウがヤフオクの「偽物検知AI」開発で生きたというエピソードを拝見しました。今回の研究でもそうした転用が念頭にあったりするのでしょうか

Doiさん 現状は単純な興味から趣味の取り組みとして進めておりますが、画像のinpaintingだけに留まらず印象的な結果が出ており、応用範囲も広い感触があって今後業務への転用もあるかと思っています。

 この取材の連絡をいただいた以降にも、今回利用した拡散モデルという技術を応用して、超解像(128から512ピクセルへの拡大)や敵対的摂動の除去(見た目とは異なる店舗と誤認識されるように意図的に加工された画像を正常な状態に復元する)なども試してツイートしておりますので、ご覧いただければと思います。

画像提供:Kenji Doi(@knjcode)さん

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