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「迷子の娘を届けてくれた人を探しています」 → Twitterで偶然つながり感動呼ぶ 当日の出来事を双方に聞いた(2/3 ページ)

迷子に話しかけるのも大変な世の中ですが、こんなこともある。

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―― 迷子を見つけた際の状況を教えてください。

ゆずきさん(以下敬称略): 中野駅でエスカレーターを上ったところ、ホームで女の子が1人でいまして、震えながら泣いているように見えました。しかし、周りの大人がスルーしていたので、「汗を拭いてるだけかな?」と思いました。念のためその子の様子を見つつ近くを通ったら、明らかに泣いていたので声を掛けました。

―― 周囲はスルーしていたとのことですが「時代的に声が掛けづらい」のもスルーの原因になっていたと思いますか。

ゆずき: そうですね。つい先日も近所で女子学生のスカートがリュックでめくれていまして、私が声をかけたのですが、自宅に帰り家族にそのことを話したら、「特に男性は不審者扱いされるので絶対に声をかけられない」という話になりまして。また、今回たくさんコメントをいただきましたが、「以前子供を保護したのに不審者扱いされた」や「不審者扱いされるのが怖い」という声が想像以上に多く、しかも男性も女性も関係なくそのような意見があるということに改めて驚きました。

 また、ご自身の体調が悪いときなどは、周りを気にしていられないと思います。私自身もスルーしてしまうかもしれません。

―― ゆずきさん自身は声掛けにためらいましたか。

ゆずき: 正直、一瞬ちゅうちょしました! もちろん「あらぬ誤解をかけられるかも……」とも少し思いましたし、何よりコロナ禍なのでどこまで近づいたり接して良いかも不安でした。でも、駅のホームなので監視カメラもあることですし、周りに人もいたので勇気を出して声を掛けました。

―― 話しかけたときの反応はいかがでしたか。

ゆずき:駅のホームでポツンと1人で泣いていて、「大丈夫?」と声を掛けたら、ビクッとしてから大泣きしてしまい……。その後、事情を少しずつ聞き、「駅員さんのところに一緒に行こう?」と伝えたら、「いかない……」との答えが返ってきて、さてどうしようかと。ひとまず、暑かったし顔も真っ赤だったので、自動販売機でお水を購入して、ホームのベンチに一緒に座り、落ち着いて来たころに一緒に改札まで行って、駅員さんに引き渡しました。

―― 子どもを落ち着かせるためには他にどんなことをお話されましたか。

ゆずき: その子の好きなものや将来の夢などを聞いたりしました。私も同じ年頃のめいが2人いるので、話題が合わせられたのが良かったと思います。なお、私は駅員さんに引き渡しただけなので、親御さんにはお会いしていません。

 仕事帰りに中野駅の改札で駅員さんに「夕方の迷子の子の件で……」とあの後の事を聞いたら、程なく親御さんが来て無事引き渡したと聞いて、ほっとしました。

―― その後ツイートして迷子の親とつながったときの感想はいかがでしたか。

ゆずき: 友人が「これ、ゆずきのことじゃない?」と教えてくれたので、そのツイートを見にいったところ、「確かに私っぽい!」と思いまして、驚いたと同時にうれしくて泣いちゃいました。

 今日はちょっと良いことをしたなーくらいに思っていたことに対して、多くのうれしいお言葉を頂き、大人になると褒められることがないので、うれし恥ずかしです……!

 また、Twitterって本当に日本中、世界中の人と気軽につながれるのだなぁ、と。SNSの良い面を100%有効活用したいい体験となりました。

 ただ、想像以上に自他ともに行動しづらい世の中であることも改めて実感しましたので、少しでも生きやすい世の中になってくれることを願うばかりです。


 続いて、ぷすこ。さんに話を聞きました。

―― 当時、どういう状況でお子さんが迷子になったのかを改めて教えてください。

ぷすこ。さん(以下敬称略): 帰り道に電車を乗り過ごし、急いで降りたけど、待っても電車来なくて泣いていたらしいです。

―― お子さんの年齢や性格を教えてください。

ぷすこ。: 小学校低学年です。人見知りもなく、明るく、あっけらかんとした子です。

―― お子さんが迷子になっていることはどのように気付きましたか。

ぷすこ。: 帰りが遅いなと位置情報を確認したら、中野にいて驚き、電話をかけてもつながらなかったのでメッセージを入れようとしたら中野駅から連絡が来ました。

 その後迎えに行き、娘からすてきなお姉さんが助けてくださったと聞きました。

―― ゆずきさんとはそのとき何か会話をされていましたか。

ぷすこ。: 娘の好きそうなものを聞いてくださったようです。すみっこやプリキュア好きなの? とうれしかったと話しています。

―― その後Twitterで判明したわけですが、何かきっかけがあって見つけたのでしょうか。

ぷすこ。: 私が発信した後、ゆずきさんが気づいてくださり、リプをくださいました。

―― お子さんはそのことについて何か言っていますか。

ぷすこ。: いまいちSNSを理解していないので、「??? そうなんだ! よかった!」とまたお手紙を書いていました。

―― 迷子に声をかけづらいという反応もありましたがそういった反応についてはどう思いますか。

ぷすこ。: ご時世的に仕方なのないことだと思います。娘のことを気に掛けてくださった方もいらしたと思います。でも自分の身を守ることも大切だと思いますから、否定はしません。その中でゆずきさんが娘に声をかけてくださったことは、本当にありがたく思います。

 子どもでも大人でも困っている方がいて、行動に移せないときには駅員さんや店員さんなどに声をかけていただくだけでも、救われる人がいると私は思いますし、私もこのようなことがあればできる範囲でやっていきたいと、改めて思いました。

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