サメの姿に似た巨大魚と神々しい遺跡のジオラマが、思わず引き込まれる切ない物語と美しい世界観です。メイキング動画は7月15日時点で25万回再生を超え、「素晴らしい芸術作品」「作品の物語に涙が出た」と国内外から感動する声が寄せられています。
神聖な雰囲気で、かつ今にも崩れてしまいそうな遺跡。その下にいるのは、巨大な魚の姿をした守護者です。体に銛(もり)を刺され、遺跡と同じくボロボロになりながらも、安らかな表情でこの場所と“小さな1つの棺”を守っています。
タイトルは「祈りの遺跡と守護者のジオラマ」。もう戻ることのない“主”を思う守護者が主役のオリジナル作品で、その背中をついばむカモメの姿や、美しく儚いステンドグラス、静かに揺れる水面など。印象的でリアリティーのある造形が、語られない背後にある物語を想像させます。長い時間独りで待ち続けたことがわかる身体と、悟ったような守護者の表情にグッとくる……。
作者は、たらそほびや/Thalasso hobbyer(@THobbyer)さん。「海洋恐怖症(海や川などに異常な恐怖を感じる症状)」をテーマに、レジンを使った“水”表現が特徴的な作品を制作しており、過去の作品では「忘却の社と守護者のジオラマ」がYouTubeで1500万回再生を突破するなど人気の作家です。
粘土や、発砲スチロール、木材といった材料を使い、すべて手作業でひとつの作品を生み出しています。今回の制作期間は約3カ月(90日)で、1日の平均作業時間は10時間ほど。たらそほびやさんによると「そのうち半分は構想とか妄想、試行錯誤の辛い時間です笑」とのこと。
YouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや」で公開されたメイキング動画は、イチから完成までを丁寧に見せてくれるので必見です。
「迷いなく順調に作っているように見えますが、実際は試行錯誤の繰り返し」と語る難しい場面の解説もあり、ほかにも作者が「どうしても作りたかった」というこだわりの部分も見られます。作品の高さは80センチほどで、使ったエポキシレジンの量は約18キロとのこと。
今回の作品は、約2年前に制作したレジンアート「遺跡と守護者」のセルフリメイク。そちらの動画も見ることで、さまざまな表現の違いを楽しむことができます。
作者のTwitterでも制作過程や物語の設定などが投稿されているので、気になる方はチェックするといいでしょう。また上記作品のオークションに関する情報等は、公式サイトで確認できます。
画像提供:たらそほびや/Thalasso hobbyer(@THobbyer)さん
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