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17世紀の料理本で江戸時代のご飯作りに挑戦する動画が興味深い 炊飯中にイワシの頭が飛び出す衝撃(1/2 ページ)

近世日本にもスターゲイジー・パイみたいな料理があった!?

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 江戸時代の食事を17世紀当時の料理本をもとに再現する動画が興味深いです。現代人だって普通に食べたくなるような、しっかりした献立……!

江戸料理 イワシの混ぜご飯と納豆汁と、鶏の煮物とキュウリのぬか漬け。色合いは素朴だけれどけっこう豪華

 投稿者は、料理や物語の動画を手がけるYouTuber「Genと文庫食堂(YouTube)」さん。江戸時代の代表的な料理本『料理物語』を手本に、「木瓜(きゅうり)の香の物(ぬか漬け)」「南蛮料理(鳥と大根の煮物)」「鰯(イワシ)ご飯」「納豆汁」の4品を作りました。

江戸料理 『料理物語』は魚や鳥、煮物や焼き物など、食材・調理法別の20章で構成された書物。寛永20年(1643年)に刊行された版が底本とされています

 道具や材料は現代のものですが、調理法は同書を忠実に再現しました。「白米文化の浸透にともない、大量のぬかが生まれた結果、その使い道としてぬか漬けが広まった」「その一方で“かっけ”に苦しむ人も増加」など、時代背景の解説とともに調理は進みます。

江戸料理 「南蛮料理」のレシピ(現代語訳)。「南蛮」は本来ポルトガルやスペインからもたらされた食べ物を指す言葉で、一般的にはネギやトウガラシのことだが、「時代とともに形骸化し、中身は変わっていった」と投稿主はみています
江戸料理 鶏を大根と一緒に丸ごと煮ていったん取り出し、身をほぐしてから戻してしょうゆで仕上げ。鳥のだしがきいておいしそうです

 なかでも衝撃的なのが、「鰯ご飯」の作り方。途中までは普通に土鍋で米を炊くものの、途中でなんとイワシをしっぽから突っ込んでいきます。ご飯の表面からイワシの頭が飛び出す光景は、まるでイギリスの名物料理「スターゲイジー・パイ」のようです。もっとも、このまま食べるわけではなく、火が通ったのちに頭と骨を抜いてから混ぜご飯にするのですが、世が世ならネットで悪目立ちしそうです。

江戸料理 調理過程が強烈

 コメント欄では「見た目はすごい質素だけど、肉も魚もご飯も野菜もあって豪華」「現代の料理が多くの積み重ねからできあがっていると分かる」など感心する声が多数寄せられています。ただ、食べた本人の感想は「うまいけれども、アガる味ではない」といった調子で、いまいちピンと来ない様子でした。現代人にはパンチが足りないってことかな……?

 Genと文庫食堂さんはほかにも、喫茶店のホットケーキや町中華のチャーハン、ジブリ飯(「コクリコ坂から」の朝食)などさまざまな料理の再現に取り組んでいます。

動画提供:Genと文庫食堂(YouTube)さん

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